あらすじ
スメールの少年アブーは自宅の屋根裏から古い「秘典の箱」を見つけた。その中には、古の決闘者「ワニの王」の魂が宿っていた。遠い昔、キングデシェレトに仕える「ワニの王」は「トキの王」と決闘の儀を行った時に相手の罠にはまり、「秘典の箱」へ封印されてしまったのだ。解放された「ワニの王」の魂は少年の体に憑依し、アブーを伝説の決闘者へと変えていく。だがアブーは、「ワニの王」が封印された本当の理由を知らなかった。
遠い昔、後に「ワニの王」となる青い肌の少年は「トキの王」と親しかったが、彼の長弓を奪おうと何度も謀り、やがて二人は決裂した。当時、赤砂の王と花の女主人が姿を消し、大赤砂海の諸国は霊廟の玉座を巡って紛争を起こした。「ワニの王」は「決闘の儀」を利用して砂海を踏破し、更なる混沌と闘争をもたらすべく、幾多の世界の間にある障壁を消してしまおうと企んだ。今や老人となった「トキの王」は彼を止めるために決闘の儀を挑み、「ワニの王」を「秘典の箱」に閉じ込めたのだった。
アブーに憑依した「ワニの王」はついに再び「決闘の間」に入り、念願の長弓を手にした。アブーは親友たる「ワニの王」と決闘の儀を行うことになる。決闘の儀はあらゆる世界の天幕に映し出された。数多の世界を超える旅の途中で出会った仲間たちに見守られる中、アブーはついに「ワニの王」に勝利した。だが、親友を失った世界はつまらないものでしかない。アブーは幾多ある世界に向けて言葉を放った。「全ての障壁を無くそう。そして世界と世界の殺し合いをここから始めよう──」
「この通り…俺は永遠に、決闘の王だ。」
アブー
スメールの少年。「秘典の箱」を見つけて「ワニの王」の魂に憑依され、決闘者となる。
デューバ
かつて決闘の儀で七つの海を制覇した船長。アブーが負けたら、彼の首をへし折ると約束した。
ニィミャオ
顔をフードで覆い隠した黒髪の少女。特殊な力を持っている。
「ワニの王」
キングデシェレトの臣下、戦を司る王。青い肌の少年。
決闘の間
秘奠の階段を登った先にある、聖域よりも聖域らしい場所。イカサマが通用しない神聖な空間。
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