魔神任務第四章第二幕
ヌヴィレット:この星には、かつて特殊な海が存在していた。その水は我々の知っている現在の海とは違う…
テイワットの生命の大部分は、かの海に由来するものだ。この星の数多の命を育んだと言えよう。
パイモン:だから、原始胎海って名前なのか…文字通りの意味なんだな。
ヌヴィレット:そして今、原始胎海はもはや星の表面には存在しない…
純聖な雫の濾滓
伝説によると、生命が存在する前に、濃密な原始の海が存在していた。それはかつての万物の純粋な起源であり、やがてすべての命を呑み込むという…そして、原始の海に属さない物質は排除され、漂う残滓になる。
「残滓でも存在する意味があるのでしょう──すべての命を呑み込む原始の源の海に拒まれる物質とは、一体なんでしょう?」若き調律師はかつて偉大な僭主に仕え、この難問について考えていた。
純聖な雫の昇華
「原始の海から生まれた生き物は、必ず同じ運命に帰るでしょう。」調律師のボエティウスはかつてこう語った。「しかし、何かを越えていく人間には無限の可能性が秘めていて、たとえ原始の胎海でも、それを全部溶かすことはできません…」
傲慢な僭主はかつて、民に肉体を捨て、独立した永遠の命を手に入れてもらうよう、知恵と記憶を保存する、純水に溶けないイコルを作ろうとした。
だが、精神と肉体の転換による苦しみは、凡人には耐えられるものではなかった。僭主の命令はボロボロの魂を引き裂いた…
多くの魂の慟哭により、イコルは黒く染められ、調和を失った精神には、混乱と狂気だけが残されていた。
純聖な雫の精髄
濃厚で純粋な液体は、はてしない原始の海の水滴から精製されたもの。古代の神王は、それが永遠の命と無限の知恵をもたらすと信じていた。しかし、耳を傾けてみると──それは「一つに溶け合う終末」を囁いている。
これはかつて神王が完成しなかった偉大なる楽章──どこからともなく生まれた黄金のイコルは、荒れ果てた原始の水に取って代わり、不死の智者の輝かしい秩序は、甘露のような啓示を隅々まで届ける。
しかし、神王の妄想はやがて深い海に沈み、黄金のイコルも残酷な時間と共に原始の汁に侵蝕された…
調律師は凶兆を無視し、ボロボロな体を支えながらも、過去の秩序を再現するため、最後のイコルで同胞に命を与えようとしていた…
今のフォンテーヌにおいて、狂気に落ちた多くの詩人や若き画家の悪夢の中で、ボエティウスが経験していた世の終わりの光景は、逃げられない輪廻の存在を告げるように、今もまた現れ続けている。
無垢な海の苦杯
伝説によると、最初の僭主が原始の海に来た時、水国の先主は彼に一杯の水を与えたという。その後、彼は独断の神王となり、その水から不思議なイコルを精製し、強くて輝かしい帝国を築いた。
それはもう遥か昔の物語、その主人公は今、深海の魚の群れが発する燐光の中で眠っている。
レムリア衰亡史・第1巻
海はすべてを育み、万物を呑み込む。
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