オープンワールドRPG「原神」の設定をまとめるサイト

ファデュイ執行官第六位、コードネーム「散兵」。

物語

雷神は雷電将軍のプロトタイプとして人形を作ったが、その人形は神の心を保管することができなかった。そこで雷神は「借景ノ館」に彼を安置した。
四百年前、桂木は崩れた岩の後ろに「借景ノ館」を発見し、人形を見つけた。桂木は金の羽を見て、人形が身分の高い者であることを知った。彼は人形をたたら砂に連れ帰り、安全のために本当の出自を伏せて「名椎の浜で見つけた」ということにした。人形はその特異さから「傾奇者」と呼ばれた。
傾奇者は細かい仕事が一切できなかったが、地元の人に教えられて洗濯、舞踊、小物を鍛造する方法などを身につけるようになった。やがて、傾奇者はたたら砂の人々の一員となっていった。御輿長正が「大たたら長正」を鍛え上げた時、傾奇者は剣舞を舞った。
エッシャーの新技術を導入したことで、たたら砂の状況は悪化した。この技術は晶化骨髄に含まれる「祟り神」が黒煙となって現れ、多くの死傷者を出した。丹羽は助けを求める使者を送ったが、誰も戻って来なかった。傾奇者は彼らを助けるため、金色の羽を持って鳴神島の将軍へと謁見しに行った。しかし雷神は既に一心浄土に入っており、人形の将軍は傾奇者との面会を拒否した。
エッシャーは丹羽を殺すと、彼の心臓を取り出して「祟り神」を吸収する装置に組み込み、これを帰ってきた傾奇者に渡して炉心の中心部に送り込み、穢れを全て吸収させた。傾奇者は予想を遥かに超える負荷を受けたが、丹羽の心臓のおかげで生き延びた。
炉心から離れ、疲弊した傾奇者はエッシャーに質問した。「この装置が自分を守ってくれたようだ。中身は何だ?」
「丹羽様は罪を恐れて出奔されましたが、あなたへ贈り物を残されました。罪なき従者から奪った、あなたにとって念願のものであるとのことでした。」
エッシャーは平然と嘘をつき、装置から枯れた心臓を取り出した。傾奇者は丹羽に裏切られ、自分はその裏切りによって生き延びてしまったと思い込んだ。彼は怒りと悲しみに突き動かされてその心臓を地面に叩きつけ、たたら砂を去った。
丹羽が死に、傾奇者も行方不明となった今、たたら砂で起きた騒動の責任は御輿長正に降りかかった。しかし、彼に忠誠を誓う桂木は長正に自らを斬らせ、責任を負うことによって彼を救った。
その後、傾奇者は小さな子供と出会った。彼の両親は刀工だったが、二人とも病死し、子供は名前を持たなかった。傾奇者は彼とずっと一緒にいる約束を交わし、共に暮らした。子供を借景ノ館に連れて行ったこともある。ある日、傾奇者が家に帰ると、子供も病に倒れていた。傾奇者は絶望し、神にも人にも望みを失った。
どん底の状態にあった傾奇者の前にファデュイ執行官「道化」が現れ、彼を仲間に引き込んだ。傾奇者は「博士」の実験体となったり、アビスで戦ったりした。やがて彼はファデュイ執行官第六位──「散兵」スカラマシュとなった。
百年前、「散兵」は雷電五箇伝に対する復讐を開始した。それは丹羽の裏切りに対する復讐であった。彼は経津、百目、千手を滅ぼし、偽の鍛造図によって一心伝を陥れた。だが楓原家と対峙した時、丹羽の末裔である楓原義慶と出会い、突然復讐を放棄した。
ファデュイは稲妻で陰謀を計画し、「散兵」は「淑女」から邪眼工場を託された。「散兵」は旅人を倒そうとしたが、そこに八重神子が現れて神の心を差し出した。「散兵」は神の心を受け取り、神子に旅人を引き渡した。
「博士」はスメール教令院のマハールッカデヴァータへの愛慕を利用し、神の心を利用して「散兵」を神に作り替える「創神計画」を実行した。「散兵」は正機の神となったが、ナヒーダと旅人によって打ち負かされ、神の心を奪われた。その後、「散兵」はナヒーダと取引を交わし、世界樹を捜索する仕事を引き受ける代わりに釈放された。「散兵」は監視役の旅人と共に、世界樹の中へ向かった。
ナヒーダは「散兵」を仲間にする計画を立てていたが、その前に真実を教えるべきだと考えた。彼女は「博士」が断片を消去したことを確認する時に、400年前の記憶を読み取った。それはたたら砂事件の真実、エッシャーが丹羽を殺したという証拠だった。ナヒーダは世界樹にこの情報を意図的に残し、「散兵」が自然に真実を知るように仕組んだ。「散兵」は「博士」にずっと騙されていたことに気づいた。彼は障壁によってナヒーダとの繋がりを遮断し、旅人の意識へと質問した。この世界で、「歴史」が変わったことはあるか?「散兵」は旅人の躊躇した反応を肯定と捉え、世界樹に自らの存在の消去を願った。彼が存在しなかれば、彼と関わりのあった者たちはこのような死に方を迎えることはなかった。彼らは別の人生を歩むべきだ、と彼は考えた。世界樹は彼の願いに応え、スカラマシュに関する記憶と記録を削除した。
しかし、「散兵」は知らなかった。旅人が躊躇したのは、マハールッカデヴァータのことを思い出したからだった。そして、世界樹は確かに人々の記憶から彼女を消し、スメールの歴史認識を書き換えたものの、過去に起こったこと自体を変えたわけではないのだ。「散兵」が自分の存在を消したからといって、死んだ人が生き返ることはない。そもそも、自分で自分の存在を消すという矛盾した行為は不可能だ。
降臨者である旅人は世界樹の干渉を受けず、「散兵」のことを覚えていた。旅人はナヒーダに「散兵」について語り、彼女はとある記憶を取り出した。それはナヒーダ自身が書いた童話だった。かつて、創神計画の中で学者たちは「散兵」から記憶のバックアップを取っていた。ナヒーダはこの記憶を自らの深い夢の中に保存し、「散兵」の人生を寓意によって表現した童話で包み込むことで、「散兵」との表面上の繋がりを断ち、世界樹に改竄されることを防いだ。彼女は真実を知った「散兵」が世界樹の情報に干渉する可能性を予期し、このような形で真実を残したのだ。また、旅人を監視役として「散兵」に同行させたのも、もう一つの保険だった。ナヒーダはこの記憶のバックアップに触れることで全てを思い出した。
その後、旅人はグランドバザールで放浪者に出会った。彼はテイワット各地を放浪する人形で、心も名前もなく、生きる目的を探していた。彼の願いにより、ナヒーダは記憶の内容を抽出して夢境として再現し、彼の人生を追体験させた。放浪者は全てを知った上で、過去の自分の記憶を取り戻したいと願った。ナヒーダは彼に記憶を返したが、その時に記憶として再現された「正機の神」が現れて攻撃を仕掛けてきた。旅人は攻撃を避けられなかったが、過去を取り戻した放浪者は風元素の神の目を獲得し、その力で正機の神を倒した。
その後、放浪者は「散兵」の名前を捨て、旅人が新たな名前を付けることになった。

テキスト

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます