未確定原神考察

6000年以上前、岩の魔神モラクスが誕生した。彼は七神の中でも最古の一柱とされる。塵の魔神帰終も同じ頃に誕生した。

遥か昔、モラクスがまだ若かった頃、層岩巨淵に星が落ちて巨大な穴と鉱脈が誕生した。その星の一枚の破片が璃沙郊北部（後の遁玉の丘）に落ちた。

モラクスと帰終は民を率いて天衡山の北に都市を建設し、帰離集と名付けた。竈の魔神マルコシアスは幾千の小さな童子の姿に分かれて人々を助けた。帰終、鳴海栖霞真君、留雲借風真君、歌塵浪市真君は友人同士で、よく集まっては仕掛けの品を比べあったり、宴を開いたりしていた。帰終と歌塵浪市は山に集い、音楽や仕掛けの術、人間社会のあれこれを議論していた。
当時の留雲借風真君は幼い甘雨の面倒を見ていた。ある日、初めて生きた人間を見た甘雨は驚いて岩の隙間に丸二日隠れてしまった。真君が彼女を見つけると、甘雨は泣きながら化け物が出たと言った。

層岩巨淵の民は鉱坑を中心に生活し、山に沿って住処と集落を建ててきた。だが鉱坑の地下に眠る深い罪悪のために高天の裁きが下り、天の釘が落とされた。この災厄の後、先人たちは沈玉の谷へと移住した。彼らは赤望台で天の使者の導きを受けていたが、やがて新たな災いが発生し、人々は天の使者の導きを失った。
とある魔神が現れ、沈玉の谷の民を統べるようになった。霊淵、薬君、浮錦は彼女の支配下に入り、平和な時代を過ごした。浮錦は祭司として投瓏儀式を執り行い、魔神に代わって沈玉の谷を流れる河川や渓流を管理していた。浮錦は薬君山に勝手に茶樹を植え、山主の霊淵を怒らせた。彼女はまた滝を登って奥蔵山や琥牢山に行き、南方の仙人たちと交遊した。歌塵浪市真君は彼女に洞天に通じる急須を贈った。

かつて、若い夜叉が邪悪な魔神に弱点を突かれて支配下に置かれた。魔神は夜叉にあらゆる残虐な行為を強要させた。彼は数多の人を殺し、敗者の「夢」を飲み込むこともあった。やがて邪悪な魔神は戦場でモラクスに敗れた。モラクスは夜叉を解放し、「魈」の名を与えた。

魔神戦争によって帰離集は戦火に見舞われ、帰終は戦死した。続く洪水によって琉璃百合はほとんど絶滅した。モラクスと仙人たちは人々を導いて南下し、現在の璃月港へと移住した。
歌塵浪市真君は酒や歌、賑やかな性格が好きな性格だったが、帰終の死後は他の者とあまり付き合わぬようになった。モラクスは彼女の要望を聞き入れ、帰終が作った洗塵の鈴を彼女に与えた。
帰終の死後に魔神戦争はより熾烈さを増し、留雲借風真君は人の姿で凄惨な戦いに幾度となく身を投じた。彼女は寡黙で口数が少なく、言葉を発するのは呪符を使う時ぐらいだった。

3700年前、モラクスは仙人たちと契約を結んで璃月を建国した。
璃月港が出来たばかりの頃、モラクスの信者が自発的に武装集団・千岩団を結成し、これが千岩軍の起源となった。彼らはモラクスに付き従い、妖魔を斬殺して璃月の平和を守った。寒氏と星氏は岩を削って彼らのための武器を作った。またモラクスは禁忌滅却の札を作って仙力を注ぎ、人間に授けた。
3000年前、甘雨はモラクスの召喚に応えて魔神戦争に参戦した。甘雨は当時丸々と太っており、その体型のせいで巨獣の喉を詰まらせたことがあった。巨獣は息ができなくなり、簡単に降伏した。
モラクスは璃月の民の願いに応え、水生魔物の討伐を引き受けた。この魔物は小さくてネバネバしていて、どこにでも入り込んだ。彼は岩の檻を自在に操ってこれらの魔物を倒すことに成功したが、それから蠢く水産物が苦手になった。

若陀龍王は璃月の岩元素生物であり、南天門付近の地下で眠っていた。彼が小さく寝返りを打ったり、背伸びをするだけでも大地は揺れ動かされた。モラクスは大地を鎮めるために彼の元にやって来た。魔神は龍に世を見る両目を与え、契約を交わして戦友となった。

塩の魔神ヘウリアは優しい神であり、苦しむ民に居場所を与えるため璃月各地を歩き回った。最後、彼女は「地中の塩」に避難所を作り、人々に幸せな暮らしをもたらした。彼女は自分の民に花の玉を配り、幸福と慰めを与えようとした。これは璃月の婚礼で花嫁が手毬を投げる風習の起源とされている。
しかしヘウリアは魔神戦争において譲歩を続け、次第に土地を失っていった。民はこの優しすぎる神では誰も守ることができないと考え、彼女に敗北の苦痛を味わわせるよりは彼女を自由にしたいと願い、剣で魔神を刺し殺した。塩の魔神が死ぬ時に力が流れ出し、地中の塩は崩壊した。逃げ遅れた者は塩の彫像と化した。
生き残った者たちは璃月港でモラクスの統治下に入り、塩業を司る銀原庁の祖となった。彼らの子孫はヘウリアが残した魔神残滓による呪いを恐れ、地中の塩に戻って凶器となった剣を折って奉納し、彼女の怒りを鎮めようとした。

魔神戦争時代、最強と謳われた魔神が青墟浦の都市を築いた。この魔神が倒された後、古都と神殿は荒れ果てた。璃沙郊一帯は戦争中に水没し、戦争が終わって水が引くと、遺跡の存在が再び見えるようになった。

魔神戦争が始まると、璃沙郊北部に落ちた星の破片は高い空へと逃げていった。残された深い穴が遁玉の丘であり、人々はこの地に堅固な要塞を築き、璃月港と交流を結んだ。

沈玉の谷の魔神は俗世の神の地位を欲したが、モラクスに勝つほどの力はないと分かっていた。彼女は最後の賭けに出て、碧水川を氾濫させることで敵の軍勢を滅ぼそうと企んだ。霊淵ら三人は人々を救うために反乱を起こした。霊淵は眷属の玄文獣たちを連れて人々を襲い、用意した避難所へと誘導した。薬君は魔神に直接刃向かって時間を稼いだ。浮錦は祀瓏を碧水川に投げて洪水を鎮めた。魔神が敗れた後、沈玉の谷はモラクスの支配下に入った。

軽策荘の言い伝えによると、モラクスは上古の水元素の魔獣・螭を討伐した。彼は軽策の先民に岩尊像の作り方を教え、軽策荘一帯に設置されたこれらの小像によって螭が残した残滓も封印された。

モラクスは岩の巨槍を投げて渦の魔神オセルを鎮圧した。この岩の槍の多くは海底に沈んだが、海面上に残った岩の槍が風化して孤雲閣を形成した。

伝説によると、魔神戦争時代、家族に認められなかったある恋人たちが畑で密会していた。やがて男は岩神に従って戦場に赴き、帰ることはなかった。恋人の帰郷を待ち続けた女がついに亡くなった時、彼女の涙が漉華の池となった。

とある村では、海の魔神に花嫁を捧げることで向こう一年の海の平穏を得る風習があった。魔神は人間の茶番に関与する気はなく、少女に海中の住む場所を与えた。しかし少女は深海を恐れ、郷愁に駆られて憔悴した。海の魔神は失望したものの彼女の意思を尊重し、少女に螺貝を授けて地上に帰した。
やがて少女は成長して母親になり、自分の娘を花嫁として送り出すことになった。彼女はその前夜に螺貝を吹いた。海神は約束通り海から現れ、大波が村を滅ぼした。母子は海神の硨磲に乗って沈んだ村に別れを告げた。

2000年前、風神バルバトスが初めて隣国の璃月を訪れた。岩神モラクスはこの同僚は助けを求めているのだろうと思い、事前に出迎えの準備を済ませていたが、風神はモンドの酒を勧めにきただけだった。その後も風神は何度も訪れ、璃月港を巡り歩きながら様々な質問を彼にぶつけた。その時から、初代七神はよく璃月で集まるようになった。

魔神戦争によって桑田が破壊されたため、璃月の民は商業と手工業を生業とした。その中で優れた商人たちが手を組み、七星を発足させた。今後、七星が民衆と岩神を繋げる組織として政権を担うようになる。甘雨は初代七星の秘書となった。

仙人の多くは戦いによって璃月を守ることしか知らなかった。戦後、仙人たちは人間界を離れて山野に隠居するようになった。理水畳山真君は琥牢山に隠居して以来、「踱山葵」を山の至る所に植えた。
軽策荘の伝説によると、一部の仙人はこれからも璃月を守り続けたいと思い、不変の岩になりたいと願った。岩神は彼らの願いを聞き入れ、彼らを石像に変えた。また、一部の仙人は人間との関わり合いから深い友情を築き、街中で人間と共に暮らすことを決めた。

魔神戦争に敗北した魔神の残骸が憎しみと怒りを膨らませ、疫病や妖魔を生んだ。岩王帝君は五人の夜叉に命じて妖魔を祓わせた。彼らは「仙衆夜叉」と呼ばれた。長い血戦の中、彼らは業障に汚染されて多くの痛みを経験し、最終的に降魔大聖だけが生き残った。

魔神の残骸は疫病となって人々を蝕んだ。人々はそれを「魔神が下した呪い」だと信じた。疫病は大勢の命を奪い、死体を媒介に伝染していった。やがて、「往生堂」創始者が空気を浄化して死体を焼き、疫病を阻止する方法を見つけた。

岩神の戦友である若陀龍王は「摩耗」に苦しめられ、記憶と思考を奪われた。璃月人は領土を開拓するべく過剰な採掘を開始し、地脈を荒らして龍王を苦しめた。そのため、龍王は層岩巨淵を攻撃し、モラクスと戦いを繰り広げた。この戦いによって強烈な元素力がぶつかり合ったことで鎮龍石が誕生した。層岩巨淵の山民もモラクスに加勢して戦った。モラクスは理水畳山真君、削月築陽真君ともう一人の仙人を召集して洞窟を作ってもらうと、龍王を洞窟に入れて封印した。

カーンルイアの災厄により、漆黒の魔獣が層岩巨淵から溢れ出した。岩王帝君の命を受けた千岩軍が陣を敷き、民を避難させて敵を食い止めた。
無名の夜叉と術師の伯陽は太威儀盤を使って魔獣を地下空間に閉じ込めることに成功した。
災いが発生すると、遁玉の丘の住民は都市を閉鎖して遠く離れた場所へと逃げ去っていった。

• 岩の魔神モラクスが誕生する。

• モラクスが仙人と契約を結び、璃月を建国する。

• 甘雨が魔神戦争に参戦する。

• 魔神戦争が終結し、七神の時代が始まる。

• 天穹の谷の龍災。摩耗を受けた若陀龍王が層岩巨淵を攻撃し、モラクスによって封印される。

• カーンルイアの滅亡が漆黒の災いを引き起こす。
• 層岩巨淵の戦い。浮舎と伯陽らが魔獣たちを地下空間に閉じ込める。

• 山ばあやが凧を作り始める。

• 層岩巨淵が閉鎖される。

• 「玉衡」刻晴が七星迎仙儀式を執り行う。神託にあった十七の言葉は、市場に大きな影響を与える。

• 旅人とパイモンが旅を始める。