図鑑・物産誌のテキスト。
モンド
ググプラム
針があるプラム。時に狼の毛皮に引っかかることがある。それを見る時、まるで狼の遠吠えが聞こえるかのようだ…ググプラムは薬草としても使用でき、痛みを鎮める効果がある。しかし、針のせいでググプラムそのものが人や野獣を傷つけたりもする…
ヴァルベリー
透き通るベリー類。食べると口の中は微かな花の香りに満たされる。かつて嵐を見張る人にとって唯一の労わりはヴェルベリーの甘さと城の安全に対する希望だけである。
セシリアの花
名も形も美しい花。清冷かつ風の強い場所にしか咲かず、どこかの詩人のように掴み所がない。
イグサ
夜に仄かに光を放つ野花。他の食材の旨味を引き立てる。野花の香りが目的にまっすぐ向かう者の足を止めることができないように、夜になっても、イグサの仄かな光は旅に一心の者の心を惹きつけられない。
ドドリアン
水辺に育つ花。花びらを料理すると、爽やかな口当たりで、ほろ苦い。現代医学の見解によれば、ドドリアンはある程度の解毒効果があるという。しかし生で食べると渋いため、多くの人は好まない。
生命力を吸収した龍牙
生命力を吸収した龍牙、心を不安にさせる暖かさを放っている。その昔、銀色の山脈に龍が堕ち、純白の雪地を不純な赤で染めた。この緋紅はその龍の力を象徴している。
「緋紅」の中の龍牙は、凶器になりえるかもしれない…
「緋紅」の中の龍牙は、凶器になりえるかもしれない…
蒲公英の種
風に乗って移動する小さい種。旅するための羽を抜いても、そこには遠くへの希望が宿っている。蒲公英はある意味では自由、思うままに束縛のない精神を意味する。蒲公英をたくさん産出する風の国の人々が蒲公英で醸造している。また、民俗学者の観点によると、昔、蒲公英で作られたお酒には強烈な象徴意味があった…
璃月
絶雲の唐辛子
璃月特有の唐辛子。匂いを嗅ぐだけで体が熱くなり、水を欲しがる。名前に「絶雲」という2つの字があるが、絶雲の間以外のところにもある。
辛すぎて絶雲の間の山頂の涼しい空気が欲しくなる、といった辛さが名前の由来らしい。
辛すぎて絶雲の間の山頂の涼しい空気が欲しくなる、といった辛さが名前の由来らしい。
霓裳花
璃月で霓雲のように咲く赤い花。水のように滑らかな織物の原料である。璃月の「飛雲商会」は絹、紡績産業の大手。噂によれば、飛雲商会が大陸のどこかに霓裳花の苗圃を隠し持っているらしい。産出量と品質が優秀であるため、業界で匹敵する者はいない。
琉璃百合
極めて古い花。かつて璃月の至るところにあり、大地の記憶を花の香りに変えられるらしい。伝説によると、この花は美しくて透き通る歌声に咲き、かつてある人物が大好きな花だったらしい。だが今、野外で咲いている琉璃百合をめったに見られない。
清水玉
沈玉の谷で採れる玉石。手触りが清水のように冷たいことからこの名がついた。
先人の古い伝説では、岩の間に散らばる玉は碧色の高天から来たとされる。その頃まだ沈黙していなかった使者は、月のように艶やかな玉を先人に与え、天に通じる祭壇を築き、示される幸福と災禍に耳を傾けるよう導いた。その後、先人が衰退してできた多くの村落では、依然として原始的で素朴な信仰を維持している。「玉」というイメージに対する崇拝も璃月の伝統と重なり、今日の文化の様相を構成するようになった。
先人の古い伝説では、岩の間に散らばる玉は碧色の高天から来たとされる。その頃まだ沈黙していなかった使者は、月のように艶やかな玉を先人に与え、天に通じる祭壇を築き、示される幸福と災禍に耳を傾けるよう導いた。その後、先人が衰退してできた多くの村落では、依然として原始的で素朴な信仰を維持している。「玉」というイメージに対する崇拝も璃月の伝統と重なり、今日の文化の様相を構成するようになった。
沈玉仙茶
沈玉の谷の暖かく湿潤な地で育つ茶葉。数千年に渡る栽培と厳選を経たことで、その芳醇な香りは長く続き、遠く離れていても心に染み入る。
いわゆる「仙茶」とは、実は沈玉の谷で産出される茶葉の総称である。「松蘿仙芽」、「雲来の白豪」、「碧水の青茗」、「游韻単叢」…さまざまな茶種があり、それぞれの口当たりと茶を淹れるこだわりの不思議な違いは、おそらく茶人だけが滔々と述べることができる。
沈玉の谷の茶については、古来数多の伝説が伝わっている。その中で最もよく知られているのは、かつて仙人が自らの手で最初の茶の木を植え、その枝を折って山中の先人に与え、もともと煙霧が立ちこめていた原野を茶の香りであふれさせたという話だ。しかし、伝説はあくまでも伝説にすぎない。今日ではそうしたはるか昔の物語も、茶館の講談師の称賛や品評のお供となっている──そして、同じように立ちこめる茶の香りの中に溶けて広がっているのだ。
いわゆる「仙茶」とは、実は沈玉の谷で産出される茶葉の総称である。「松蘿仙芽」、「雲来の白豪」、「碧水の青茗」、「游韻単叢」…さまざまな茶種があり、それぞれの口当たりと茶を淹れるこだわりの不思議な違いは、おそらく茶人だけが滔々と述べることができる。
沈玉の谷の茶については、古来数多の伝説が伝わっている。その中で最もよく知られているのは、かつて仙人が自らの手で最初の茶の木を植え、その枝を折って山中の先人に与え、もともと煙霧が立ちこめていた原野を茶の香りであふれさせたという話だ。しかし、伝説はあくまでも伝説にすぎない。今日ではそうしたはるか昔の物語も、茶館の講談師の称賛や品評のお供となっている──そして、同じように立ちこめる茶の香りの中に溶けて広がっているのだ。
稲妻
スミレウリ
皮が派手な果実。調理すると果肉が独特な食感になる。
稲妻には、この果実の皮を加工して染料を作るという伝統的な製法がある。その昔、紺田村ではこのようなスミレウリを栽培しており、極秘技術である「紺田染め」と呼ばれる生産方法で色鮮やかな布地を作っていたという。
稲妻には、この果実の皮を加工して染料を作るという伝統的な製法がある。その昔、紺田村ではこのようなスミレウリを栽培しており、極秘技術である「紺田染め」と呼ばれる生産方法で色鮮やかな布地を作っていたという。
緋櫻毱
鳴神大社の神櫻から落ちる花びら。雷元素の力によりゆらゆらと空中に浮かんでいる。
伝説によると、雷櫻の根は地中深くで繋がっており、その複雑な根を遡っていくと、最終的には稲妻全土を見守る神櫻の下に辿り着くと言われている。神櫻と雷櫻は御建鳴神主尊の一部だという伝説も存在する。彼女は神体を分割し、このような方法で支配下にあるすべての存在を守っていたらしい。
伝説によると、雷櫻の根は地中深くで繋がっており、その複雑な根を遡っていくと、最終的には稲妻全土を見守る神櫻の下に辿り着くと言われている。神櫻と雷櫻は御建鳴神主尊の一部だという伝説も存在する。彼女は神体を分割し、このような方法で支配下にあるすべての存在を守っていたらしい。
オニカブトムシ
雷元素が豊富なエリアに生息している不思議な甲虫。身を覆う殻には悪鬼の模様があるが、本体はいたって温厚で動きが鈍い。
稲妻に流れる伝説によると、神々が地上の生物に領土に割り当てていた時、争いを嫌うオニカブトムシは真っ先に雷元素の豊富な土地を選んだと言われている。長い年月をかけて進化し、天敵を威嚇する模様と、捕食者を撃退することができる放電可能な角を身に着けた。鎧や角を持っているが、すべての生物の中で最も争いを嫌っている。
稲妻に流れる伝説によると、神々が地上の生物に領土に割り当てていた時、争いを嫌うオニカブトムシは真っ先に雷元素の豊富な土地を選んだと言われている。長い年月をかけて進化し、天敵を威嚇する模様と、捕食者を撃退することができる放電可能な角を身に着けた。鎧や角を持っているが、すべての生物の中で最も争いを嫌っている。
晶化骨髄
「祟り神」の力を宿した結晶体。製錬時にこの物質を加えると、鋼鉄製品の強度と靱性を大幅に向上させることができる。
稲妻に伝わる「祟り神」とは、いわゆる神の亡骸であり、それがもたらす奇妙な現象でもある。伝説によると、晶化骨髄を作り出す魔神がまだ祟り神になっていなかった頃、たくさんの名前を持っていた。そしてその中の一つがオロバシノミコトだった。オロバシノミコトの体は海岸線のように長く、まるで闇の外海にいる巨大クジラのように抑揚のある声だったという。しかし最後には、ヤシオリ島もろとも斬り裂かれてしまった。
稲妻に伝わる「祟り神」とは、いわゆる神の亡骸であり、それがもたらす奇妙な現象でもある。伝説によると、晶化骨髄を作り出す魔神がまだ祟り神になっていなかった頃、たくさんの名前を持っていた。そしてその中の一つがオロバシノミコトだった。オロバシノミコトの体は海岸線のように長く、まるで闇の外海にいる巨大クジラのように抑揚のある声だったという。しかし最後には、ヤシオリ島もろとも斬り裂かれてしまった。
ウミレイシ
特定の海や島でしか育たない特別な品種。菌類のようにも見えるが、実は「ウミレイシ虫」の分泌によるもの。
ある地域に伝わる話によると、このように口も鼻もない小さな軟体生物は、夭折した子供たちの生まれ変わりであるらしい。その罰として、海の沙にある微弱な元素成分を無限の年月をかけて汲み取る、「ウミレイシ」を構築しなければならないという。そしてウミレイシが熟した頃、人々の手に渡っていく。
ある地域に伝わる話によると、このように口も鼻もない小さな軟体生物は、夭折した子供たちの生まれ変わりであるらしい。その罰として、海の沙にある微弱な元素成分を無限の年月をかけて汲み取る、「ウミレイシ」を構築しなければならないという。そしてウミレイシが熟した頃、人々の手に渡っていく。
鳴草
風のない日でも、雷鳴に反応し微かに揺れ動く植物。花びらのように見える構造は、実は葉っぱであり、脆弱な花を守っている。
鳴草は雷元素の豊富なエリアに粘り強く生息する稲妻の植物。雷に対して高い感知能力があるため、現地民に雷雨の予報に使われている。うわさによると、この植物は妖狸「五百蔵」が妖力を用いて将軍の御所から盗み出し、その種を稲妻列島の土地に撒いたものだという。五百蔵が罰を受けて消息を絶った後も、その逸話は人々の間で広く語り継がれている。
鳴草は雷元素の豊富なエリアに粘り強く生息する稲妻の植物。雷に対して高い感知能力があるため、現地民に雷雨の予報に使われている。うわさによると、この植物は妖狸「五百蔵」が妖力を用いて将軍の御所から盗み出し、その種を稲妻列島の土地に撒いたものだという。五百蔵が罰を受けて消息を絶った後も、その逸話は人々の間で広く語り継がれている。
血石華
詩の中で「赤蕊」と呼ばれている鮮やかな植物。一度は稲妻列島で絶滅したが、戦場で再び姿を現した。血塗られた戦場ではひときわ眩しい輝きを放つと言われている。
希少価値は非常に高いが、稲妻人の間では不吉な存在と呼ばれており、あまり売られていない。うわさによると、この植物は血によって作られるもので、戦場が血みどろであればあるほど華麗に咲き乱れるという。戦場で死した魂が血石華が敷かれた道を辿ってあの世に行き、永遠という元素循環に還ると言われている。しかし「永遠」に疑いを抱く魂は、大地に束縛され、朱色の苗床に咲く妖紅の花になってしまうらしい。
希少価値は非常に高いが、稲妻人の間では不吉な存在と呼ばれており、あまり売られていない。うわさによると、この植物は血によって作られるもので、戦場が血みどろであればあるほど華麗に咲き乱れるという。戦場で死した魂が血石華が敷かれた道を辿ってあの世に行き、永遠という元素循環に還ると言われている。しかし「永遠」に疑いを抱く魂は、大地に束縛され、朱色の苗床に咲く妖紅の花になってしまうらしい。
天雲草の実
セイライ島にある天雲草が結んだ実。耳もとに置くと微かな電流の音が聞こえる。
数千年前にセイライ島が裂かれ、大地が永遠に雷の陰りに覆われるようになった戦いの後、天雲草は出現した。雷暴に屈しないように、天雲草は雷の音が降ってくる空に向かって実を結ぶ。
この精神は将来、セイライ島に移住してきた人々の間に受け継がれていくだろう。越石村が荒れ果て、浅瀬神社にも神人がいなくなる時まで。
数千年前にセイライ島が裂かれ、大地が永遠に雷の陰りに覆われるようになった戦いの後、天雲草は出現した。雷暴に屈しないように、天雲草は雷の音が降ってくる空に向かって実を結ぶ。
この精神は将来、セイライ島に移住してきた人々の間に受け継がれていくだろう。越石村が荒れ果て、浅瀬神社にも神人がいなくなる時まで。
珊瑚真珠
この真珠は海祇のサンゴと共に存在することでのみ生まれる。手にしている時、月明かりのような微かな涼しさを発する。
地元の話によると、海祇の血が流れている人が手にすると、より明るくなるらしい。なぜなら、この真珠は大御神が海祇人のために流れた血であるからだ。また、こういう伝説もある──大御神は皓月のような真珠で淵下宮を照らし、人々を地の上に導いたという。そのため、海祇の真珠は一部の人にとって、聖物のような意味を持っている。
海祇珊瑚宮の模様である「真珠海波」は、海祇を抱える波と、海祇を照らす輝く明珠から由来したもののようだ。
地元の話によると、海祇の血が流れている人が手にすると、より明るくなるらしい。なぜなら、この真珠は大御神が海祇人のために流れた血であるからだ。また、こういう伝説もある──大御神は皓月のような真珠で淵下宮を照らし、人々を地の上に導いたという。そのため、海祇の真珠は一部の人にとって、聖物のような意味を持っている。
海祇珊瑚宮の模様である「真珠海波」は、海祇を抱える波と、海祇を照らす輝く明珠から由来したもののようだ。
スメール
ハッラの実
高温多湿の雨林で育つ果実。特殊な香りを放っており、粉にすると香辛料が作れる。スメールの最も重要な香料用の植物である。
他国の伝説では、ハッラの実は誰も登れない崖の上に生息し、空飛ぶ蛇や巨大な鳥によって守られているという。ジンニーを使役できる勇者だけが、神の加護を受け、この秘密の果実を手に入れることができるのだ。しかしスメールに行ったことのある人間なら、これは地元の商人が香料の値段をつり上げるために語る、単なる作り話であることくらい分かるだろう。
他国の伝説では、ハッラの実は誰も登れない崖の上に生息し、空飛ぶ蛇や巨大な鳥によって守られているという。ジンニーを使役できる勇者だけが、神の加護を受け、この秘密の果実を手に入れることができるのだ。しかしスメールに行ったことのある人間なら、これは地元の商人が香料の値段をつり上げるために語る、単なる作り話であることくらい分かるだろう。
ザイトゥン桃
雨林の低木に実った果実。果肉はしっかりしており、甘くて美味しい。また、食べると心を落ち着かせる効果もあると言われている。
かつてザイトゥン桃は、そのかわいらしい見た目から観賞用植物として使われていた。しかし、時を経てその薬効が発見され、今ではごく一般的な商品となり、皮肉なことに、その美的価値はほとんど注目されなくなった。
かつてザイトゥン桃は、そのかわいらしい見た目から観賞用植物として使われていた。しかし、時を経てその薬効が発見され、今ではごく一般的な商品となり、皮肉なことに、その美的価値はほとんど注目されなくなった。
スメールローズ
鮮やかな濃い紫色の花。人を立ち止まらせるほどの芳しい香りがする。ローズと呼ばれるが、厳密には玟瑰。
古くからスメールローズは、香料や香水の材料として使われてきた。祭りになると、市場はいつもローズの香りに包まれる。スメールの詩の中で、ローズはしばしば良質のお酒と共に言及され、スメール文学のシンボルとなった。「さあ、無意味な修行をやめなさい!今、お酒とローズを楽しむことよりも大切なものはない!」
古くからスメールローズは、香料や香水の材料として使われてきた。祭りになると、市場はいつもローズの香りに包まれる。スメールの詩の中で、ローズはしばしば良質のお酒と共に言及され、スメール文学のシンボルとなった。「さあ、無意味な修行をやめなさい!今、お酒とローズを楽しむことよりも大切なものはない!」
ヴィパリャス
種子のない花。
大地が再び思い出した時、ヴィパリャスは必ず咲く。
スメールの森は夢の寝床であり、森の子供たちの一部の人生は夢の中で過ごしている。森の夢から離れる者もいるが、森は彼らを忘れることはない。
大地が再び思い出した時、ヴィパリャスは必ず咲く。
スメールの森は夢の寝床であり、森の子供たちの一部の人生は夢の中で過ごしている。森の夢から離れる者もいるが、森は彼らを忘れることはない。
デーツ
砂漠のオアシスに育つ常緑樹に実る果実。硬い皮の中にある果肉の質感は食べ応えがあり、甘くて美味しい。砂海の民にとっては重要な食料の一つ。
砂漠地帯という特殊な地理的条件のためか、糖度が非常に高い。砂糖漬けにしたり、キャンディなどにしてもおいしい。デーツ栽培の歴史は長く、古い国の歌にもよく登場するという。伝説によると、烈日君王の終わりなき宴会で振る舞われた最初の前菜は、デーツの砂糖漬けだったそうだ。
砂漠地帯という特殊な地理的条件のためか、糖度が非常に高い。砂糖漬けにしたり、キャンディなどにしてもおいしい。デーツ栽培の歴史は長く、古い国の歌にもよく登場するという。伝説によると、烈日君王の終わりなき宴会で振る舞われた最初の前菜は、デーツの砂糖漬けだったそうだ。
ルッカデヴァータダケ
雲海のように重なり合って成長するキノコ類。ほとんどは雨林の奥深くの高木に生えているため、スメール人はこれをマハールッカデヴァータの遺した恩恵によって創られた聖体と見なしている。スメールの森に住む住民は、教令院にルッカデヴァータダケを奉納する伝統がある。しかしそれらが何に使われるかは誰にも分からない。ある説によると、教令院は毎年、スラサタンナ聖処で秘密の儀式を行うらしい。この儀式では、賢者たちはルッカデヴァータダケを食べることでマハールッカデヴァータの犠牲を記念するのである。
パティサラ
神聖かつ純潔な、気高い花。成長には厳しい生育条件を必要とする。花蕊を加工すると、貴重な香料が出来上がる。
パティサラの名は、ある古代の神からその名がついたらしい。伝説によれば、遠い昔、良い関係を築いていた三人の神がいた。当時、色鮮やかな花はまだ大地に点在しており、人々は集めてきた花蕊をお香にして神に捧げていたという。
今や、その花はもう絶滅したが、パティサラはとある者が豊かな恵みを頼りに再現した品種である。
パティサラの名は、ある古代の神からその名がついたらしい。伝説によれば、遠い昔、良い関係を築いていた三人の神がいた。当時、色鮮やかな花はまだ大地に点在しており、人々は集めてきた花蕊をお香にして神に捧げていたという。
今や、その花はもう絶滅したが、パティサラはとある者が豊かな恵みを頼りに再現した品種である。
サウマラタ蓮
雨林の湿地に生える、夜にしか咲かない花。月のように明るい光を放つ。
この地の最も古い民話では、月の神の高車もかつては太陽に匹敵するほどの光を放っており、大地の万物はその恩恵を仰いでいた。しかし、天を裂く矢は、その最も幽玄な乗り物を飾る宝石を砕き、人々は月夜の君主の姿を見ることができなった[原文ママ]。多くの花々は新しい主人に仕えるようになったが、サウマラタ蓮のみが新しい月光を浴びながら、あの頃の歌を思い出し続けている。
この地の最も古い民話では、月の神の高車もかつては太陽に匹敵するほどの光を放っており、大地の万物はその恩恵を仰いでいた。しかし、天を裂く矢は、その最も幽玄な乗り物を飾る宝石を砕き、人々は月夜の君主の姿を見ることができなった[原文ママ]。多くの花々は新しい主人に仕えるようになったが、サウマラタ蓮のみが新しい月光を浴びながら、あの頃の歌を思い出し続けている。
カルパラタ蓮
崖の上に咲いているつる植物の花。見た目が似ていることから「蓮」と呼ばれるが、蓮そのものとは関係がない。
スメールではいたるところの崖にツル草が生え、まるで時のように無限に感じる。このつるは、マハールッカデヴァータが最初に創り出したものと言われており、スメールのあらゆる植物の祖先である。スメールのすべての巨木、そして不滅の聖樹は、このツル草で結ばれている。この説は、昔生論派の学者たちによって否定されたが、今でも人々の間に広く広まっている。
スメールではいたるところの崖にツル草が生え、まるで時のように無限に感じる。このつるは、マハールッカデヴァータが最初に創り出したものと言われており、スメールのあらゆる植物の祖先である。スメールのすべての巨木、そして不滅の聖樹は、このツル草で結ばれている。この説は、昔生論派の学者たちによって否定されたが、今でも人々の間に広く広まっている。
赤念の実
砂漠の劣悪な環境でも生存できる植物の実。赤い果実は黄色い砂に映え、人々の心を動かす。
鮮やかな色を持ち、簡単な処理をすれば染料にもなる。砂漠の民の生活で重要な役割を果たした。「エルマイト旅団」の烈火のような旗もこれで染められると言われている。赤い布は旅団の足跡と共に各地に運ばれた。どこにいても、この漂うシルクを見るたびに、故郷の熱い風を感じられるのだろう。
鮮やかな色を持ち、簡単な処理をすれば染料にもなる。砂漠の民の生活で重要な役割を果たした。「エルマイト旅団」の烈火のような旗もこれで染められると言われている。赤い布は旅団の足跡と共に各地に運ばれた。どこにいても、この漂うシルクを見るたびに、故郷の熱い風を感じられるのだろう。
聖金虫
広大な砂海に生息している頑強な甲虫。外骨格にある金色の模様は、まるでこの虫たちが、砂漠に散らばる古代遺跡と何らかの繋がりを持つことを示唆しているかのようだ。
噂によれば黄砂の王が大地を統べた時代、千柱の都での凱旋式において、魔法に長けた司祭が敗者の魂をこの昆虫の体内に封印し、「アフマル」の名において永遠に聖者の神殿や宮殿を守るように命じたらしい。その後、神殿は崩れ、宮殿も倒壊したが、この金色の甲虫だけは依然として忘れ去られた往日の誓約を果たし続けている。
噂によれば黄砂の王が大地を統べた時代、千柱の都での凱旋式において、魔法に長けた司祭が敗者の魂をこの昆虫の体内に封印し、「アフマル」の名において永遠に聖者の神殿や宮殿を守るように命じたらしい。その後、神殿は崩れ、宮殿も倒壊したが、この金色の甲虫だけは依然として忘れ去られた往日の誓約を果たし続けている。
砂脂蛹
砂漠の民の伝説では、流砂ウナギはウェネトと同じく、かつては太陽を呑み込む巨蛇の末裔であったという。でたらめのように聞こえるが、砂脂蛹の研究結果によると、その成分はウェネトの脂肪と似ている部分が多いことが分かっている。故に、狡猾な商人は採集してきた砂脂蛹を粉末にし、ウェネトの脂肪から精製した高級香料だと偽って売ることがある。
サングイト
荒野の山々の奥深くに点在している、異彩を放つ特別な石。混化した元素エネルギーが凝縮したものらしい。
スメールの伝説では、地下にはかつてダーリという古き国が存在し、正理に背き漆黒の災厄を招いたと言われている。太陽をも遮る戦いの中、最も固い岩ですら燃えたという。やがて戦火が鎮まり、災難を経た大地に残されたいたのがこれら深紅の鉱石だ。耳をすませば、あの戦争の余韻が未だ微かに遺されているように感じる。
スメールの伝説では、地下にはかつてダーリという古き国が存在し、正理に背き漆黒の災厄を招いたと言われている。太陽をも遮る戦いの中、最も固い岩ですら燃えたという。やがて戦火が鎮まり、災難を経た大地に残されたいたのがこれら深紅の鉱石だ。耳をすませば、あの戦争の余韻が未だ微かに遺されているように感じる。
悼霊花
古の戦場に咲いた真っ赤な花。荒漠の中でもしたたかに成長している。垂れ下がる花はまるで、ここで犠牲となった英霊を悼んでいるかのようだ。
遥か昔、暗色の穢れが大地を蝕んでいた頃、無数の英雄が漆黒の魔物との戦いで犠牲になった。この花たちは戦死者たちの血に染められて成長したと言われている。砂原の部族に受け継がれた古い歌によると、古の災厄で命を落とした無辜の人々の魂には、穢されて永遠の輪廻に戻れないものもあるという。それらの魂は花に宿って、運命の不公平に涙を流すほかないだろう。
遥か昔、暗色の穢れが大地を蝕んでいた頃、無数の英雄が漆黒の魔物との戦いで犠牲になった。この花たちは戦死者たちの血に染められて成長したと言われている。砂原の部族に受け継がれた古い歌によると、古の災厄で命を落とした無辜の人々の魂には、穢されて永遠の輪廻に戻れないものもあるという。それらの魂は花に宿って、運命の不公平に涙を流すほかないだろう。
フォンテーヌ
萃凝晶
透き通った晶石。優れた耐久性と可塑性を持つ鉱石。
太古の伝説によると、輝くプリズムはかつての高天の使者からの贈り物で、昼夜を照らす微かな光は、白い月の恩恵を象徴し、人々に不思議な物を鍛造する力を与えたという。伝説はすでに証明しようがないが、現代の職人たちは相変わらず、この透き通った晶石を使って様々な装飾品や武器を作っている。
太古の伝説によると、輝くプリズムはかつての高天の使者からの贈り物で、昼夜を照らす微かな光は、白い月の恩恵を象徴し、人々に不思議な物を鍛造する力を与えたという。伝説はすでに証明しようがないが、現代の職人たちは相変わらず、この透き通った晶石を使って様々な装飾品や武器を作っている。
プリュイロータス
水元素の豊富な所で育つ植物。フォンテーヌの長い雨季の後、至る所にその姿が見られることが命名の由来。
周囲の水元素濃度に異常が発生した時は、この植物の成長にも不可避的に影響がもたらされる。古代フォンテーヌの自然哲学者たちはこの植物を占いに利用したと言われている。プリュイロータスの成長状況に基づき、生き物の運命や未来の出来事を推測したそうだが、具体的な占い方は今日に受け継がれていない。
周囲の水元素濃度に異常が発生した時は、この植物の成長にも不可避的に影響がもたらされる。古代フォンテーヌの自然哲学者たちはこの植物を占いに利用したと言われている。プリュイロータスの成長状況に基づき、生き物の運命や未来の出来事を推測したそうだが、具体的な占い方は今日に受け継がれていない。
バブルオレンジ
暖かくて湿度の高い、日当たりの良い場所で育つ果物。真ん丸な形をしており、中には甘く爽やかな果肉がひっそりと隠れている。
古代フォンテーヌの哲学者たちは、バブルオレンジの色が朝日の色により近いのか、それとも夕日の色により近いのか──「日出の実」と名付けるべきか、それとも「夕暮れの実」にすべきかをめぐり、長きにわたって議論を重ねてきたという。どちらも一歩も譲らず議論が膠着してきた頃、「夕暮れの実」という名前は既に存在していることに気づいた双方は仕方なく、果物の色ではなく形によってこの甘い果物に名付けることに合意した。
古代フォンテーヌの哲学者たちは、バブルオレンジの色が朝日の色により近いのか、それとも夕日の色により近いのか──「日出の実」と名付けるべきか、それとも「夕暮れの実」にすべきかをめぐり、長きにわたって議論を重ねてきたという。どちらも一歩も譲らず議論が膠着してきた頃、「夕暮れの実」という名前は既に存在していることに気づいた双方は仕方なく、果物の色ではなく形によってこの甘い果物に名付けることに合意した。
マルコット草
真珠のような光沢を持つ、華やかな桃色の花。豊かで複雑な香りを持ち、調香する際の主な材料の一つである。
花言葉は「純潔」と「真摯な思いやり」。
フォンテーヌでは、調香師になるための最初の授業で、マルコット草の香りの抽出方法を学ぶことになる。また、その花蜜はジャムや酒の香り付けにも使われ、フォンテーヌの日常生活において欠かせない一部となっている。
花言葉は「純潔」と「真摯な思いやり」。
フォンテーヌでは、調香師になるための最初の授業で、マルコット草の香りの抽出方法を学ぶことになる。また、その花蜜はジャムや酒の香り付けにも使われ、フォンテーヌの日常生活において欠かせない一部となっている。
タイダルガ
波に流されながら生きている藻類。他の植物が排出する養分に頼って生命を維持している。浮遊生物と誤解されることが多いが、その本質は、実のところ浮遊植物である。
文献によると、古代の哲学者たちはタイダルガを絶賛していたという。「自由意志のある動物でありながら、自らの存続のために命を奪うことはない」ことから、「俗世で最も高貴な生命」と讃えていたのだ。しかし、生物に関する知識の発展に伴い、その賞賛は最終的に消えていった。
文献によると、古代の哲学者たちはタイダルガを絶賛していたという。「自由意志のある動物でありながら、自らの存続のために命を奪うことはない」ことから、「俗世で最も高貴な生命」と讃えていたのだ。しかし、生物に関する知識の発展に伴い、その賞賛は最終的に消えていった。
蒼晶螺
薄暗い光を放つ貝の形をした構造物。生物の甲羅ではなく、より原始的な元素エネルギーが集まって出来た産物のようだ。
過去の博物学では、塩のように真っ白な貝殻模様は嘗て水の主が残した数多の印の一つとされていたが、後世の考古学ではそれは前世代の文明と様々な関係があると考えられている。
過去の博物学では、塩のように真っ白な貝殻模様は嘗て水の主が残した数多の印の一つとされていたが、後世の考古学ではそれは前世代の文明と様々な関係があると考えられている。
ロマリタイムフラワー
淡い青色が高貴な花。柔らかい花蕊は吸水性に優れ、弾力があるため、多くの日用品の原材料として使われている。
花言葉は「忠誠」と「不変の誓い」。
フォンテーヌの民話によると、ロマリタイムフラワーはかつてエゲリアに恋焦がれる水の精霊だったと言われている。この民話は主に、この花が水元素に触れると咲くという生物的性質から想像されたものだが、乏しい知識と溢れる表現意欲を持つ人類の特徴に現れでもある。
花言葉は「忠誠」と「不変の誓い」。
フォンテーヌの民話によると、ロマリタイムフラワーはかつてエゲリアに恋焦がれる水の精霊だったと言われている。この民話は主に、この花が水元素に触れると咲くという生物的性質から想像されたものだが、乏しい知識と溢れる表現意欲を持つ人類の特徴に現れでもある。
ルミドゥースベル
優雅に佇む、紫色の清楚な花。その淡く清らかな香りは繊細にして優しく、貴重な香水の製造に使われることが多い。
花言葉は「離別」と「再会への願い」。
コペリウスは自身の劇『黄金のヒュペルボレイア』で、この花を「水晶の涙」と呼んでいた。胸いっぱいに想いを秘めたお花が極北の凍り果てた土地に流され、氷の風により永遠の美しさが保たれたという物語である。彼と同時代の評論家は、永遠の美、永遠の愛に対する彼の追及は極端的だという見方が大半だ。この点は、彼の最後の作品で如実に表れている。
花言葉は「離別」と「再会への願い」。
コペリウスは自身の劇『黄金のヒュペルボレイア』で、この花を「水晶の涙」と呼んでいた。胸いっぱいに想いを秘めたお花が極北の凍り果てた土地に流され、氷の風により永遠の美しさが保たれたという物語である。彼と同時代の評論家は、永遠の美、永遠の愛に対する彼の追及は極端的だという見方が大半だ。この点は、彼の最後の作品で如実に表れている。
レインボーローズ
すらりと伸びる姿が美しい、柔らかなピンク色の花。ローズという名前ではあるが、実際は百合により近い。
花言葉は「情熱」と「出会い」だ。
古い記録によると、虹色の薔薇はかつて大地の至るとこで見られたという。その鮮やかな色は、第七天の光とも比肩する程だったそうだが、今やその色とりどりの薔薇は絶滅してしまい、それに付き添って育っていた花が時代の終盤の混乱に乗じて「レインボーローズ」の名前を奪い取ったのだ。
花言葉は「情熱」と「出会い」だ。
古い記録によると、虹色の薔薇はかつて大地の至るとこで見られたという。その鮮やかな色は、第七天の光とも比肩する程だったそうだが、今やその色とりどりの薔薇は絶滅してしまい、それに付き添って育っていた花が時代の終盤の混乱に乗じて「レインボーローズ」の名前を奪い取ったのだ。
ルエトワール
水中で淡い光を放つ軟体動物。多くは水際や水中の人工建造物の表面に付着している。
その微細な光はダイバーたちに見過ごされがちではあるが、これら小さな軟体動物には産業堆積物を摂取し分解する驚異的な本能がある。かつて、ある研究員がこれらルエトワールに「名誉海洋生態系エンジニア」という肩書を付与しようと提案したという。だが、この提案は当時の上級技術官(兼、海洋生態系研究課名誉エンジニア)により却下された。
その微細な光はダイバーたちに見過ごされがちではあるが、これら小さな軟体動物には産業堆積物を摂取し分解する驚異的な本能がある。かつて、ある研究員がこれらルエトワールに「名誉海洋生態系エンジニア」という肩書を付与しようと提案したという。だが、この提案は当時の上級技術官(兼、海洋生態系研究課名誉エンジニア)により却下された。
探測ユニット・子機
フォンテーヌ科学院が、新型奇械部品を利用して開発した小型探測ユニット。本来は様々な環境データのモニタリングのために使われるもの。
これらユニットは当初、奇械先端技術研究課と自然生態環境観測課の共同で管理されていた。奇械先端技術研究課は装置の生産と設置を、自然生態環境観測課はデータの収集と分析を担当した。しかし、以前の実験事故により自然生態環境観測課は解散。フォンテーヌ科学院は現在、装置の生産と設置のみを行っている。
これらユニットは当初、奇械先端技術研究課と自然生態環境観測課の共同で管理されていた。奇械先端技術研究課は装置の生産と設置を、自然生態環境観測課はデータの収集と分析を担当した。しかし、以前の実験事故により自然生態環境観測課は解散。フォンテーヌ科学院は現在、装置の生産と設置のみを行っている。
湖光の鈴蘭
純粋で清らかな青い花。水脈の集まる場所で育つ。優しく爽やかな、品の良い香りがする。
花言葉は「待ち望む」「永遠の約束」。
古い言い伝えによると、湖のように澄み切った清らかな花は、衆の水の女主人から最後の純水騎士へと贈られた餞別の品であった。フォンテーヌでは、旅立つ人のために鈴蘭を摘んで贈る風習が今でも残っている。その行く先の道が澄んだ水面のように穏やかであること、そして大切な人がこの涼しげな微かな光に導かれ、再び自分の元へと戻ってくることを願うのである。
花言葉は「待ち望む」「永遠の約束」。
古い言い伝えによると、湖のように澄み切った清らかな花は、衆の水の女主人から最後の純水騎士へと贈られた餞別の品であった。フォンテーヌでは、旅立つ人のために鈴蘭を摘んで贈る風習が今でも残っている。その行く先の道が澄んだ水面のように穏やかであること、そして大切な人がこの涼しげな微かな光に導かれ、再び自分の元へと戻ってくることを願うのである。
初露の源
モルテ地区の水中に漂う透き通ったしずく。これらのしずくは一般的な純水でできたものとは異なり、より原始的で純粋な元素エネルギーを秘めているようだ。
古代フォンテーヌの自然哲学者たちは、このような造物について記録を残してこなかった。だが、約四百年前になってようやく、フォンテーヌ科学院のエンジニアたちが断続的に研究を始めた。一部の学者はこれら極めて純粋な「イコル」は、フォンテーヌを離れる前のエゲリアが、この地に残した最後の贈り物であったと信じている。しかし、この主張を裏付ける確たる証拠は今のところない。
古代フォンテーヌの自然哲学者たちは、このような造物について記録を残してこなかった。だが、約四百年前になってようやく、フォンテーヌ科学院のエンジニアたちが断続的に研究を始めた。一部の学者はこれら極めて純粋な「イコル」は、フォンテーヌを離れる前のエゲリアが、この地に残した最後の贈り物であったと信じている。しかし、この主張を裏付ける確たる証拠は今のところない。
BOSS
東風の羽根
それは千年の風と共にあった龍の羽根である。羽根の自由を追い求める本能はそよ風を呼び起こし、束縛から逃げようとするが、その旧主が君を認めたため、羽根は君の手のひらに止まることになった。
東風の爪
かつて魔龍「ドゥリン」の血肉を引き裂いたため、龍の爪には恐ろしい猛毒が含まれている。君が浄化、治癒したおかげで、その毒はようやく落ち着いた。
東風の吐息
東風の主は優雅で、透き通っていて、恒風と竜巻を使役することができる。風に乗ると、風は仲間、歌声、そして自由になる。その敵は、風の敵でもある。
北風のしっぽ
命と体を失っても北風の王狼には強い力がある。挑戦を迎えるために氷と風で再現したその体は彼の全てを収容できず、一部の魂は戦闘中に抜け落ちた氷の鱗に付着した。
北風のリング
この大地はかつて北風に吹かれ、氷霜に包まれていた。砂利のような氷と雪は寒風の中で叫び、肌を裂き、血を固まらせる。今の北風の王狼の力は昔より劣るが、大地を凍らせるほどの力はまだある。
北風の魂箱
この大地はかつて北風に吹かれ、氷霜に包まれていた。しかし強い北風は命を育むことはできず、命の苗を消すのみであったと、彼は最後にようやく理解した。命の終わりに、彼は自分の力を大地に込めて、大地とその住民を永遠に守ると誓った。
呑天の鯨・只角
伝説によると、命ノ星座は人の気質を表している。漆黒の夜空を泳ぐ星の鯨は、恐らくすべてを粉砕し丸飲みする狂気的な理念を表していたのだろう…
これを受け入れた彼は、世界を破滅させる水の鯨を呼び出し、戦いを挑んでくるだろう。
これを受け入れた彼は、世界を破滅させる水の鯨を呼び出し、戦いを挑んでくるだろう。
魔王の刃・残片
かつて、抗えぬ暗闇の地に捕らわれ、その国の闇を目の当たりにした少年は、この世界に存在してはならない暗黒に染まってしまった。
「邪眼」の力とは関係がないが、持ち物は主人に似るのだ…
「邪眼」の力とは関係がないが、持ち物は主人に似るのだ…
武煉の魂・孤影
無数の戦いを経験した気迫と戦意が、全力の交戦中に解き放たれ物質化したもの。
もし運命が実在しているなら、彼の運命は捻じ曲げられてしまったのだろう。そうでなければ、いつも闘争の中心にいるはずがないのだ。
もし運命が実在しているなら、彼の運命は捻じ曲げられてしまったのだろう。そうでなければ、いつも闘争の中心にいるはずがないのだ。
龍王の冠
千年の玉石が凝縮して成った結晶の角、「龍王」の天然の冠。
魂を力の源に、盤石で形をつくる。かの者は山の奥から生まれ、岩の国で天地の威厳を表した。金色の長い角は、その力が過去のとある君主に匹敵する証。
かつて破裂し、色を失ったが、今は手の中で冷たい黄金の輝きを放っている。
魂を力の源に、盤石で形をつくる。かの者は山の奥から生まれ、岩の国で天地の威厳を表した。金色の長い角は、その力が過去のとある君主に匹敵する証。
かつて破裂し、色を失ったが、今は手の中で冷たい黄金の輝きを放っている。
血玉の枝
特別な輝きを放つ骨の枝は、「龍王」の力で形成したもの。
憎しみは泉と共に流れ、冷酷な月の光と交じり、結晶化した枝を成長させる…
戦いで切り落とされても、龍の血に育まれた枝は未だに騒めいており、安らかな時が訪れることは永遠にないだろう。
憎しみは泉と共に流れ、冷酷な月の光と交じり、結晶化した枝を成長させる…
戦いで切り落とされても、龍の血に育まれた枝は未だに騒めいており、安らかな時が訪れることは永遠にないだろう。
鍍金の鱗
玄岩から自然と生まれた鱗の鎧は、強靭かつ沈黙で、「龍王」の力が潜めている。
無数の虫けらが廃土に還る永い年月の中で、黄金と黒曜石が岩に埋め込まれてできた血肉が、やがて鎧となった。
燃える痛みも、無言の叫びも、おそらく怨念が終結する瞬間に消えてしまうだろう。
無数の虫けらが廃土に還る永い年月の中で、黄金と黒曜石が岩に埋め込まれてできた血肉が、やがて鎧となった。
燃える痛みも、無言の叫びも、おそらく怨念が終結する瞬間に消えてしまうだろう。
溶滅の刻
本来の力を発揮した「淑女」を倒して手に入れた、大きな力を秘めた異形の欠片。
「私は長い夢を見た。」
「夢の中では、私たちが作った純白の世界で、あんたと再会した。」
「ようやく目が覚めた。私はとっくに炎に飲み込まれ、あんたも毒と共に大地へと戻った。」
「しかし、もう問題ないわ。前に進み続けるためには、後ろにあるものをすべて燃やし、彼の言った永遠に純白で汚れのない王国を信じ続ける必要がある。地平線の果て、『陛下』の夢の中、彼に魅せられた『妄念』の中を…」
「私は長い夢を見た。」
「夢の中では、私たちが作った純白の世界で、あんたと再会した。」
「ようやく目が覚めた。私はとっくに炎に飲み込まれ、あんたも毒と共に大地へと戻った。」
「しかし、もう問題ないわ。前に進み続けるためには、後ろにあるものをすべて燃やし、彼の言った永遠に純白で汚れのない王国を信じ続ける必要がある。地平線の果て、『陛下』の夢の中、彼に魅せられた『妄念』の中を…」
獄炎の蝶
本来の力を発揮した「淑女」を倒して獲得した、大きな力を秘めた異形の欠片。
氷の封印が解かれ、過去の意志が蒼白の牢獄を突き破った。彼女が再び元の名前を思い出した時、不死蝶は血肉の灰燼と共に飛び散っていく。そして彼女も、大地を徘徊し、烈炎を放ち、罪を燃やし尽くした過去と二度と会えなかった人物の顔を思い出した。
氷の封印が解かれ、過去の意志が蒼白の牢獄を突き破った。彼女が再び元の名前を思い出した時、不死蝶は血肉の灰燼と共に飛び散っていく。そして彼女も、大地を徘徊し、烈炎を放ち、罪を燃やし尽くした過去と二度と会えなかった人物の顔を思い出した。
灰燼の心
本来の力を発揮した「淑女」を倒して獲得した、大きな力を秘めた異形の欠片。
涙でさえも炎をかき消すことはできない。溶銑の如く熱い悲しみと怒りが血管を駆け巡り、涙腺からあふれ出る。
彼女の心が永遠の火に焼かれる前に、最初の愚者が彼女を見つけ出した。彼は分かっていた。より深い憎しみと執念のみが、彼女を蝕む炎を消し去り、彼女を仲間にすることができると…
涙でさえも炎をかき消すことはできない。溶銑の如く熱い悲しみと怒りが血管を駆け巡り、涙腺からあふれ出る。
彼女の心が永遠の火に焼かれる前に、最初の愚者が彼女を見つけ出した。彼は分かっていた。より深い憎しみと執念のみが、彼女を蝕む炎を消し去り、彼女を仲間にすることができると…
凶将の手眼
浄土から取り出した人形の関節。「見たままを形にする」という概念を象徴している。
禍神となった今も「彼女」はこの手眼を操ることができ、視界が捉えた一瞬の間に、一太刀を放つ。しかし万劫はあまりに遠く、凶将の骸も春を迎えねばならなかった。
禍神となった今も「彼女」はこの手眼を操ることができ、視界が捉えた一瞬の間に、一太刀を放つ。しかし万劫はあまりに遠く、凶将の骸も春を迎えねばならなかった。
禍神の褉涙
浄土から取り出した人形の関節。「悪曜の眼」の形をしている。
この眼で眺めるだけで災いや呪いを下せるため、人生の不幸を「禍神」のせいにするのも無理はない。だが、よくよく考えると、もし自分の意志が強く、信念が堅かったならどうだろうか…
万劫はあまりに遠いが、凶星悪曜ですら涙で身を清めることができるのだ。
この眼で眺めるだけで災いや呪いを下せるため、人生の不幸を「禍神」のせいにするのも無理はない。だが、よくよく考えると、もし自分の意志が強く、信念が堅かったならどうだろうか…
万劫はあまりに遠いが、凶星悪曜ですら涙で身を清めることができるのだ。
万劫の真意
すべてが落ち着いた後、浄土から取り出した小さな髪飾り。
一念は万劫の終わりであり、時間を超えた想いと言うのは必ず存在する。
百千万劫に渡る眞の想いは、ちゃんと届いただろうか。
一念は万劫の終わりであり、時間を超えた想いと言うのは必ず存在する。
百千万劫に渡る眞の想いは、ちゃんと届いただろうか。
傀儡の糸
機械人形の背部に通す導管。その中に流れる色彩は時に暗く、時に明るく…その矛盾に人は恐怖を覚える。
この管は機械人形にエネルギーを提供するが、同時に人形を操り人形の糸のように束縛する。
導管の支えがなければ、人形は生まれたての赤ちゃんのようにか弱く、一歩も動けぬ存在と成り果てるのだ。
この管は機械人形にエネルギーを提供するが、同時に人形を操り人形の糸のように束縛する。
導管の支えがなければ、人形は生まれたての赤ちゃんのようにか弱く、一歩も動けぬ存在と成り果てるのだ。
無心の淵鏡
正機の主の胸先にある、外界を遮断するための鏡。
その身分と威厳を宣告するため、わざわざ三つ巴模様があしらわれている。
この模様は雷の主に対する臣服を宣告するものではなく、
この世界に存在する既存の権威と能力に向けられた刃である。
また、この鏡は世間の人々の批判的な目を隔てるためのものではなく、
俗世にあるすべての穢れを仕切るための塀である。
この大殿にて懲罰を施し、蒙昧を洗い流し、
夢想を覆し、煩悩を抉り出し──そして定められた業を今一度書き直す。
その身分と威厳を宣告するため、わざわざ三つ巴模様があしらわれている。
この模様は雷の主に対する臣服を宣告するものではなく、
この世界に存在する既存の権威と能力に向けられた刃である。
また、この鏡は世間の人々の批判的な目を隔てるためのものではなく、
俗世にあるすべての穢れを仕切るための塀である。
この大殿にて懲罰を施し、蒙昧を洗い流し、
夢想を覆し、煩悩を抉り出し──そして定められた業を今一度書き直す。
空行の虚鈴
鈴のような形をした、機体の腕の球関節を繋ぐためのパーツ。見た目は小さく精巧だが、これが担うエネルギーは想像を超えるものだ。
腕に繋ぐと、両腕は感覚を失う。
足に繋ぐと、両足には力がほとんど入らなくなる。
そして、これを頭に繋ぐと──
憎しみと苦しみ、狂気と傲慢は、それでも洗い流せないだろう。
幸いなことに。
腕に繋ぐと、両腕は感覚を失う。
足に繋ぐと、両足には力がほとんど入らなくなる。
そして、これを頭に繋ぐと──
憎しみと苦しみ、狂気と傲慢は、それでも洗い流せないだろう。
幸いなことに。
天地に生える蕨
アペプの体内にあるオアシスで摘み取った、一本の蕨。
時間の概念が生まれるよりも昔、世界は龍によって統制されていた。そしてアペプの霊囿に、草木が生える天地に、最初に芽生えたのが蕨であった。
それから長い歳月をかけて、蕨は木に、蔓に、根と茎に、そして葉になって、大地を覆い尽くした。しかし、丸まった姿であった最初の蕨が、何にも縛られることない大空へと伸びたときに立てた微かな音を、アペプは今でも覚えている。
時間の概念が生まれるよりも昔、世界は龍によって統制されていた。そしてアペプの霊囿に、草木が生える天地に、最初に芽生えたのが蕨であった。
それから長い歳月をかけて、蕨は木に、蔓に、根と茎に、そして葉になって、大地を覆い尽くした。しかし、丸まった姿であった最初の蕨が、何にも縛られることない大空へと伸びたときに立てた微かな音を、アペプは今でも覚えている。
原初のオアシスの初咲き
アペプの体内にあるオアシスで摘み取った、原初の姿を保つ古の花。
それから長い歳月をかけて、花は無限の色と香りを得、夜空の星の数ほど多い名前を得た。
しかし、最初に咲いたこの花だけは、いまだ名前がない。太古の龍からすれば──たとえバラがその名前を失っても、その芳しさを失うことはないだろう。定義とは、偏狭で寿命の短い種族が世界を知るためのツールに過ぎない。命は言葉に制限されることなどなく、永遠に変化し続けているのだ。
それから長い歳月をかけて、花は無限の色と香りを得、夜空の星の数ほど多い名前を得た。
しかし、最初に咲いたこの花だけは、いまだ名前がない。太古の龍からすれば──たとえバラがその名前を失っても、その芳しさを失うことはないだろう。定義とは、偏狭で寿命の短い種族が世界を知るためのツールに過ぎない。命は言葉に制限されることなどなく、永遠に変化し続けているのだ。
太古の樹海の一瞬
アペプの体内にあるオアシスで採った一つの琥珀。中には、今や絶滅した小さな飛虫が閉じ込められている。
小さな命を包んだ琥珀は、木にとっての偶然だが、その中にある存在にとっては運命なのだ。
天から降ってきた災厄と共に、木も、蔓も、根茎も、草木も枯れていき、塵となり、多くの生命が消えた。
しかし地上に存在しないオアシスによって大切に保管され、琥珀の中に静止したこの名もなき虫は、だからこそ同族がたどり着けなかった未来へと向かうことができた。
小さな命を包んだ琥珀は、木にとっての偶然だが、その中にある存在にとっては運命なのだ。
天から降ってきた災厄と共に、木も、蔓も、根茎も、草木も枯れていき、塵となり、多くの生命が消えた。
しかし地上に存在しないオアシスによって大切に保管され、琥珀の中に静止したこの名もなき虫は、だからこそ同族がたどり着けなかった未来へと向かうことができた。
光なき糸
呑星の鯨との戦いの真っ只中、いつのまにか武器に絡みついていた細い糸。
古代フォンテーヌには、すべての現象を司る「フォルトゥナ」は、竪琴の弦のように細い「繊維」を織って出来ている──と考えた人がいた。壮大なメロディと共鳴する糸はあまねく幸福をもたらす一方、不協和音は宇宙のテクスチャを破壊するであろう。
古代フォンテーヌには、すべての現象を司る「フォルトゥナ」は、竪琴の弦のように細い「繊維」を織って出来ている──と考えた人がいた。壮大なメロディと共鳴する糸はあまねく幸福をもたらす一方、不協和音は宇宙のテクスチャを破壊するであろう。
光なき渦の目
呑星の鯨との戦いで入手できる奇妙な「物質」。見た目から想像するよりも、その重さは遥かにずっしりとしている。
黒鉄よりも黄金に、そよ風よりも大地に集まるように、すべては重みのあるものの周りに集まる。光が暗黒の渦から逃れることができないように、因果も重たい運命の周りに集まるのだ。おそらく、これは不可逆な法則なのだろう。
しかし、この重い「物質」を手にするとき、常にある種の非現実感が漂う。これが呑星の鯨が呑み込んだ獲物の残した影であるのと同様に、あなたが戦っている相手も、奥深い宇宙からの反響にすぎないのかもしれない。
黒鉄よりも黄金に、そよ風よりも大地に集まるように、すべては重みのあるものの周りに集まる。光が暗黒の渦から逃れることができないように、因果も重たい運命の周りに集まるのだ。おそらく、これは不可逆な法則なのだろう。
しかし、この重い「物質」を手にするとき、常にある種の非現実感が漂う。これが呑星の鯨が呑み込んだ獲物の残した影であるのと同様に、あなたが戦っている相手も、奥深い宇宙からの反響にすぎないのかもしれない。
光なき一塊
呑星の鯨との激戦の中で生み出された破片。
漆黒の夜空の中にも、微かな煌めきを放つ光が紛れもなくそこにある。まるで、砂に半分埋もれた真珠、アスファルトに散らばるダイヤモンド、夜霧の視界の果てに見える灯火、あるいは枯れた草原に点いた火花のようである。
だが、よく見るといい。輝きは少しずつ失われている。暗黒が四方から押し寄せてくるのだ。あなたは一瞬、宇宙を照らす新星となるのか。それとも、微かな炎を踏みつぶす、闇の支配者となるのか。
漆黒の夜空の中にも、微かな煌めきを放つ光が紛れもなくそこにある。まるで、砂に半分埋もれた真珠、アスファルトに散らばるダイヤモンド、夜霧の視界の果てに見える灯火、あるいは枯れた草原に点いた火花のようである。
だが、よく見るといい。輝きは少しずつ失われている。暗黒が四方から押し寄せてくるのだ。あなたは一瞬、宇宙を照らす新星となるのか。それとも、微かな炎を踏みつぶす、闇の支配者となるのか。
フィールドBOSS
常闇の輪
闇の福音を囁く四本の腕を持つ使者を倒した後、手に入れた円環状の法器。
円環とは通路の形を模したものである。ゆえにさまざまな不思議な力を持つ法器は、往々にして円環の形をしている。
大地の奥深くで宇宙の一角を垣間見た者がいた。たとえ宇宙の中にいる偉大なものの影であろうと、大地の重力に縛られた小さな命より遥かに鮮明で、より立体的な形を持っていると彼らは知っている。そして彼らの先駆者は、漆黒の宇宙へ行こうとしたり、あるいは本物の宇宙を争いに満ち、希望に枯れ、過去も未来もない世界の奥底に隠された繁栄平和の国に持ち込もうとしたりしている。この円環状の法器は、宇宙を招致するための通路なのかもしれない。
円環とは通路の形を模したものである。ゆえにさまざまな不思議な力を持つ法器は、往々にして円環の形をしている。
大地の奥深くで宇宙の一角を垣間見た者がいた。たとえ宇宙の中にいる偉大なものの影であろうと、大地の重力に縛られた小さな命より遥かに鮮明で、より立体的な形を持っていると彼らは知っている。そして彼らの先駆者は、漆黒の宇宙へ行こうとしたり、あるいは本物の宇宙を争いに満ち、希望に枯れ、過去も未来もない世界の奥底に隠された繁栄平和の国に持ち込もうとしたりしている。この円環状の法器は、宇宙を招致するための通路なのかもしれない。
奇械部品・コッペリア
コッペリアの奇械部品。奇械ダンサーにエネルギーを供給できる。
製作者の構想の中で、細くしなやかな関節を持つ奇械ダンサーの物語は、喜びに満ちた瞬間で留まったままだ。もしこの瞬間を邪魔しようとする者がいれば、コッペリアは並外れた戦闘能力でその招かれざる客に悲運の一節を贈るだろう。
「氷風組曲」はかつて、劇場でたった一度、数幕のみ上演された劇『クロックワークコッペリア』からインスピレーションを得ている。所謂「人の心」を持つクロックワーク・マシナリーのコッペリアと恋に落ちる発明家グロリア[原文ママ]の物語を描いたこの劇は、上演前から評論家や文芸家の間で注目を集めていたが、上演初日、最初の幕間に、世界各地に深い傷跡を残した災難が起きた。
残存している物語は、当時幸運にも劇場に居合わせた観客の言葉で継ぎ接ぎされた数幕のセリフと、崩れかけた壁や過去の新聞雑誌に載っていた広告だけだった。
それは遥か昔の出来事で、当時はまだエピクレシス歌劇場の建設も始まっておらず、破壊された劇場が誰かによって買われ、改築され、数え切れないほど所有者が変更された末に、今のホテル・ドゥボールになるよりも遥か前の時代だ。にもかかわらず、長い年月が経った今でも、完全な上演すら叶わなかった『クロックワークコッペリア』は尚、黄金時代の物語或いは悲劇(両者は同じ物語の中に出てくることが多い)の創作を夢見る創作者、文学と芸術を愛するエンジニアや発明家にインスピレーションを与え続けている。
製作者の構想の中で、細くしなやかな関節を持つ奇械ダンサーの物語は、喜びに満ちた瞬間で留まったままだ。もしこの瞬間を邪魔しようとする者がいれば、コッペリアは並外れた戦闘能力でその招かれざる客に悲運の一節を贈るだろう。
「氷風組曲」はかつて、劇場でたった一度、数幕のみ上演された劇『クロックワークコッペリア』からインスピレーションを得ている。所謂「人の心」を持つクロックワーク・マシナリーのコッペリアと恋に落ちる発明家グロリア[原文ママ]の物語を描いたこの劇は、上演前から評論家や文芸家の間で注目を集めていたが、上演初日、最初の幕間に、世界各地に深い傷跡を残した災難が起きた。
残存している物語は、当時幸運にも劇場に居合わせた観客の言葉で継ぎ接ぎされた数幕のセリフと、崩れかけた壁や過去の新聞雑誌に載っていた広告だけだった。
それは遥か昔の出来事で、当時はまだエピクレシス歌劇場の建設も始まっておらず、破壊された劇場が誰かによって買われ、改築され、数え切れないほど所有者が変更された末に、今のホテル・ドゥボールになるよりも遥か前の時代だ。にもかかわらず、長い年月が経った今でも、完全な上演すら叶わなかった『クロックワークコッペリア』は尚、黄金時代の物語或いは悲劇(両者は同じ物語の中に出てくることが多い)の創作を夢見る創作者、文学と芸術を愛するエンジニアや発明家にインスピレーションを与え続けている。
奇械部品・コペリウス
コペリウスの奇械部品。奇械ダンサーにエネルギーを供給できる。
奇械ダンサーは白金の音節を踏みながら、昼夜を問わず観客のために氷風の輪舞を披露する。弔いの鐘が鳴るまで、コペリウスのステップが止まることはない。
最初の『クロックワークコッペリア』で、コペリウスはクロックワーク・マシナリーのコッペリアの創造者であり、追求者でもあった。次は観客の記憶に頼り、わずかに再現されたセリフの一部である。
「もう心を決めた。これから私は、恋に落ちた人を追い求めることを止め、私が選んだ人に喜びをもたらすとしよう」
「荒唐無稽な事だが、これもまた世の常と言えよう。智者は愚かな者の命に従い、人生はまさに低俗な喜劇そのものだ」
奇械ダンサーは白金の音節を踏みながら、昼夜を問わず観客のために氷風の輪舞を披露する。弔いの鐘が鳴るまで、コペリウスのステップが止まることはない。
最初の『クロックワークコッペリア』で、コペリウスはクロックワーク・マシナリーのコッペリアの創造者であり、追求者でもあった。次は観客の記憶に頼り、わずかに再現されたセリフの一部である。
「もう心を決めた。これから私は、恋に落ちた人を追い求めることを止め、私が選んだ人に喜びをもたらすとしよう」
「荒唐無稽な事だが、これもまた世の常と言えよう。智者は愚かな者の命に従い、人生はまさに低俗な喜劇そのものだ」
凝雲の鱗甲
山隠れの猊獣の鱗の鎧。手触りは冷たく硬い。剥がれ落ちても、表面になお純粋な仙力がこびりついており、普通の武器ではわずかな傷も付けられない。
普通の野獣も時として漂う仙力に影響を受け、普段より強くなることがある。一方、猊獣の身にまとわりつく仙力は周りの環境ではなく、自分自身に由来している──これも長の地位に就く猊獣がよく仙人と同等にみなされる理由である。
一般に吉運をもたらす瑞祥獣と思われているが、今はもうほとんど誰も覚えていない古い伝説では、「山主」という名の猊獣が村落を襲ったという話が残っている。「獣舞劇」の起源もその「山主」をなだめる儀式とされている。しかし長い歳月の中で、実際に猊獣を目撃したことのある人はごく僅かで、この説の真偽ももちろん確かめようがない。
普通の野獣も時として漂う仙力に影響を受け、普段より強くなることがある。一方、猊獣の身にまとわりつく仙力は周りの環境ではなく、自分自身に由来している──これも長の地位に就く猊獣がよく仙人と同等にみなされる理由である。
一般に吉運をもたらす瑞祥獣と思われているが、今はもうほとんど誰も覚えていない古い伝説では、「山主」という名の猊獣が村落を襲ったという話が残っている。「獣舞劇」の起源もその「山主」をなだめる儀式とされている。しかし長い歳月の中で、実際に猊獣を目撃したことのある人はごく僅かで、この説の真偽ももちろん確かめようがない。
通常・精鋭
異海の露
原海アベラントを倒した後、その体内から得た小さな結晶。
フォンテーヌの「海」に生まれた原海アベラントは、水中の不思議なエネルギーによってその独特な形の生命体が形成されたと推測されている。
フォンテーヌの「海」に生まれた原海アベラントは、水中の不思議なエネルギーによってその独特な形の生命体が形成されたと推測されている。
異海の塊
原海アベラントを倒した後、その体内から得られる結晶体。微かに不思議なエネルギーを放っている。
航路や人間の足ではたどり着けない遠海には、偉大なる生命が存在すると言われているが、普通の海は取り立てて言うほどの特徴もなく、その生命力はフォンテーヌの「海」に遥かに及ばない。
そのため、フォンテーヌに誕生した生命やその他の物質には、往々にして不思議なエネルギーが宿っている。
航路や人間の足ではたどり着けない遠海には、偉大なる生命が存在すると言われているが、普通の海は取り立てて言うほどの特徴もなく、その生命力はフォンテーヌの「海」に遥かに及ばない。
そのため、フォンテーヌに誕生した生命やその他の物質には、往々にして不思議なエネルギーが宿っている。
色変わりの結晶
原海アベラントを倒した後、その体内から得た大きな結晶。不思議なエネルギーを秘めている。
万水の源であるフォンテーヌの水だが、異国へ流れてからはその独特の性質が失われてしまう。そのため、フォンテーヌの海に然る特徴を与えたのは水そのものではなく、海原の下に存在するとある物質ではないかという推論がある。
言い伝えによると、今は破壊されてなき自然哲学学院にはこの物質について深く研究した人がいたという。
万水の源であるフォンテーヌの水だが、異国へ流れてからはその独特の性質が失われてしまう。そのため、フォンテーヌの海に然る特徴を与えたのは水そのものではなく、海原の下に存在するとある物質ではないかという推論がある。
言い伝えによると、今は破壊されてなき自然哲学学院にはこの物質について深く研究した人がいたという。
整合の歯車
クロックワーク・マシナリーの歯車。
動力伝達のための重要な部部品。この部品がないと、対応のモジュールは機能しなくなる。
動力伝達のための重要な部部品。この部品がないと、対応のモジュールは機能しなくなる。
機構の歯車
クロックワーク・マシナリーの歯車。
クロックワーク・マシナリーは運動学において数々の画期的な進歩を遂げてきたが、動力学においては、400年以上雨に「奇械公」のアラン・ギヨタンが築き上げた基礎と枠を未だに突破できていない。
実は「クロックワーク・マシナリー」という名前は、彼の時代よりも前、ゼンマイバネの位置エネルギーによって駆動する古の装置に由来している。
クロックワーク・マシナリーは運動学において数々の画期的な進歩を遂げてきたが、動力学においては、400年以上雨に「奇械公」のアラン・ギヨタンが築き上げた基礎と枠を未だに突破できていない。
実は「クロックワーク・マシナリー」という名前は、彼の時代よりも前、ゼンマイバネの位置エネルギーによって駆動する古の装置に由来している。
奇械のコア歯車
クロックワーク・マシナリーの歯車。
加工の精度および材料学の進歩はフォンテーヌのクロックワーク・マシナリーの発展のカギとなる。先進的設備の力を借りれば、どのエンジニアだってアラン・ギヨタンの時代を凌駕する機械を作り出せる可能性がある。
しかし、現在フォンテーヌの最先端クロックワーク・マシナリーは、メロピデ要塞で生産されている。その理由は、いつまで経っても「工房」の実力は「工場」には叶わないからだ[原文ママ]。
加工の精度および材料学の進歩はフォンテーヌのクロックワーク・マシナリーの発展のカギとなる。先進的設備の力を借りれば、どのエンジニアだってアラン・ギヨタンの時代を凌駕する機械を作り出せる可能性がある。
しかし、現在フォンテーヌの最先端クロックワーク・マシナリーは、メロピデ要塞で生産されている。その理由は、いつまで経っても「工房」の実力は「工場」には叶わないからだ[原文ママ]。
濁水のひとしずく
濁水幻霊を倒した後に得た小さな水滴。
まだ生命力が完全に消えていないようだ。
まだ生命力が完全に消えていないようだ。
濁水のひとすくい
濁水幻霊を倒した後に得た水。
まだ生命力が完全に消えていないようだ。
かつての純水精霊がフォンテーヌから姿を消した後、水中から浮かび上がるのは、美しいとは言えない形の、奇妙な元素生命体しかいない。
まだ生命力が完全に消えていないようだ。
かつての純水精霊がフォンテーヌから姿を消した後、水中から浮かび上がるのは、美しいとは言えない形の、奇妙な元素生命体しかいない。
生まれたての濁水幻霊
水の中に息づく生命には形がなく、形のない生命もまた水の中で、水の形を借りて誕生する。
古代フォンテーヌの詩人や哲学者はこう信じていた(或いは願っていた)。時間が始まる前の過去と、時間が終わった後の未来において、数多の生命は水の中で出会い、形や言葉、触れ合いを必要とせず、新たに生まれることも、死ぬこともないのだと。そして、水の世界はすべての生命の延長線上にある。
これは世界のもっと原始的かつ最終形体で、既に過ぎ去った、或いはまだ到来していない黄金の時代である。
古代フォンテーヌの詩人や哲学者はこう信じていた(或いは願っていた)。時間が始まる前の過去と、時間が終わった後の未来において、数多の生命は水の中で出会い、形や言葉、触れ合いを必要とせず、新たに生まれることも、死ぬこともないのだと。そして、水の世界はすべての生命の延長線上にある。
これは世界のもっと原始的かつ最終形体で、既に過ぎ去った、或いはまだ到来していない黄金の時代である。
隙間のコア
ブリーチャープリムスが残した欠片。
地上のどの生命体とも似た箇所がない。
地上のどの生命体とも似た箇所がない。
外界のシナプス
ブリーチャープリムスが残した欠片。
この種の異形生命体はエリナスに由来しており、エリナスを主な活動範囲としている。
この種の異形生命体はエリナスに由来しており、エリナスを主な活動範囲としている。
異界生命体のコア
ブリーチャープリムスが残したコア。
この類の生命体を完全に消滅させる方法はない。コアしか残っていなくても、数日或いは数十年後に再び生き返るからだ。幸い、あまり高い攻撃性や知性を持っていないようで、ほとんどのフォンテーヌ人はなるべくそれに近づかないようにしている。
「護国の白騎士」と同行したファントムハンターの話によると、エリナスの凄惨な戦いが終わった後、大量のブリーチャープリムスが出現したが、彼らを攻撃したりはしなかったという。
この類の生命体を完全に消滅させる方法はない。コアしか残っていなくても、数日或いは数十年後に再び生き返るからだ。幸い、あまり高い攻撃性や知性を持っていないようで、ほとんどのフォンテーヌ人はなるべくそれに近づかないようにしている。
「護国の白騎士」と同行したファントムハンターの話によると、エリナスの凄惨な戦いが終わった後、大量のブリーチャープリムスが出現したが、彼らを攻撃したりはしなかったという。
翼状の羽鰭
玄文獣を倒した後、その背中から取った羽鰭の一部。
長距離飛行の能力はないが、この鳥の翼のような羽鰭のおかげで玄文獣は獲物を追うとき素早く動ける。
長距離飛行の能力はないが、この鳥の翼のような羽鰭のおかげで玄文獣は獲物を追うとき素早く動ける。
月光の羽鰭
玄文獣を倒した後、その背中から取った羽鰭。
表面は月光のように穏やかで幽かな光をぼんやり照り返しており、なぜだが人に落ち着きを与える。いわゆる「玉魄は虚白を流し、玄文は影明を照らす」である。どれほどの歳月が流れようと、山林を歩く野獣はまだ落ちてこない月の光を偲んでいる。
ちょうど影と夜風の奥深くにしまい込まれた秘密のように。
表面は月光のように穏やかで幽かな光をぼんやり照り返しており、なぜだが人に落ち着きを与える。いわゆる「玉魄は虚白を流し、玄文は影明を照らす」である。どれほどの歳月が流れようと、山林を歩く野獣はまだ落ちてこない月の光を偲んでいる。
ちょうど影と夜風の奥深くにしまい込まれた秘密のように。
淵光の羽鰭
玄文獣を倒した後、その背中から取ったきらびやかな羽鰭。
表面は幽玄で微かな光を照り返しており、仙力の跡をかすかに感じられる。夜が更け静まり返ると、凶暴な野獣もしばし安らかな眠りに落ち、そして「夢」がまだ人間のものだけではなかった歳月を思い出す。しかし、かつて数多の美しい夢を創造した主はとうにいなくなり、昔日の夢もまた淵の底に沈む幽かな光のごとく、もはやその跡を尋ねるのも難しい。
表面は幽玄で微かな光を照り返しており、仙力の跡をかすかに感じられる。夜が更け静まり返ると、凶暴な野獣もしばし安らかな眠りに落ち、そして「夢」がまだ人間のものだけではなかった歳月を思い出す。しかし、かつて数多の美しい夢を創造した主はとうにいなくなり、昔日の夢もまた淵の底に沈む幽かな光のごとく、もはやその跡を尋ねるのも難しい。
風神の瞳の共鳴石
風の七天神像と似たような特性を持つ人造石盤、風神の瞳と共鳴できる。神の瞳の共鳴石は遠い昔、各地に建てられた七天神像の粗末な模倣品である。神の瞳を求める力の源は粗末な石自身という説がある。粗末品の故に神像の力を求め、神像に代替しようとする。
風のトレジャーコンパス
近くの宝箱を探知できる便利なアイテム。トレジャーコンパスは大地の磁場の流れによらず、地脈によって近くの財宝を探す。「宝物を探す価値は結果ではなく、過程にある」といった執着心で、このアイテムの使用を反対する冒険者もいるらしい。
ポケットワープポイント
ワープポイントの模倣品、ある程度で地脈と繋がっているため、ワープ機能を実現できる。神の目の所有者にとってはかなり便利なアイテム。しかし、ワープポイントの動作原理もまだ解明されていないのに、このような粗末な模倣品を使ったら、未知なるマイナス面の影響をもたらすのではないかといった見解を持つ学者もいる。
濃縮樹脂
エネルギーがたっぷりと入っている結晶体。銀白の古樹と花が地脈と繋がり、樹脂のエネルギーは地脈を浚い、中に詰まっている物質を精錬する。濃縮樹脂の特殊な性質により、同時に所持できる数は多くない。
三◯式・携帯式栄養袋
西風騎士団のとある錬金術師が設計した特殊アイテム。ほとんどの美食を一種にして「栄養物質」に転換させることが可能。あの錬金術師にとって、このやり方で栄養を補給する効率が大幅に向上したが、彼女以外に使ってみたいと思う者はあまりいない…
参量物質変化器
遺跡から発掘された不思議な器械。循環を加速し、物質を「物質変化」させる力を持つ。この世界はあるゆる物が循環しており、地脈には常に記憶と元素が流れている。腐った夕暮れの実は大地へ戻り、土から成長した木は、いずれまた瑞々しい果実を実らせる…
赤羽団扇
不思議な力を持つアイテム。「天狗」の手中にあれば、様々な力を発揮できる。一般人が使えば、空中で「体を軽くする」程度の能力を発揮できる。
伝説によると、初代岩蔵流を創立した道胤は、ある影向山の天狗との約束で、毎年真剣を用いて決闘していたらしい。この流派が誇る秘剣が形になるまで、彼の剣はその「神通力」を利用して空中を飛ぶ天狗に全く触れることができなかった。その亜t目、決闘というよりも、天狗が人間を弄んでいたという方が正しいだろう。
伝説によると、初代岩蔵流を創立した道胤は、ある影向山の天狗との約束で、毎年真剣を用いて決闘していたらしい。この流派が誇る秘剣が形になるまで、彼の剣はその「神通力」を利用して空中を飛ぶ天狗に全く触れることができなかった。その亜t目、決闘というよりも、天狗が人間を弄んでいたという方が正しいだろう。
「追憶のレンズ」
神秘的な「レンズ」。ある特殊な「写真機」の一部だった。
遥か昔、伝説の「狐斎宮様」が邪を退治する法器を当時の柊家当主弘嗣に授けた。柊はそれをレンズ部分の材料とし、異国で特殊な写真機を作り、友情の証として鳴神大社に返した。その写真機は思いと記憶を記録できるという。精密機械の部品は時と共に朽ちてしまったが、特製のレンズだけは未だに現世に存在しないものを観測することができる。
遥か昔、伝説の「狐斎宮様」が邪を退治する法器を当時の柊家当主弘嗣に授けた。柊はそれをレンズ部分の材料とし、異国で特殊な写真機を作り、友情の証として鳴神大社に返した。その写真機は思いと記憶を記録できるという。精密機械の部品は時と共に朽ちてしまったが、特製のレンズだけは未だに現世に存在しないものを観測することができる。
変わった羽毛
かつて鶴観を滅ぼした雷鳥が残した羽毛。その内にはたくさんの記憶と力が宿っている。
霧海の中でも望めるその眩しい姿は、謎の霧を彷徨う鶴観人の崇拝の対象となった。雷鳥から落ちた羽毛こそが、鶴見の楽器「マウシロ」の原型である。
何かが雷鳥の逆鱗に触れ、鶴観の文明を滅ぼした。そして年月が経ち、セイライ島で消滅した。
霧海の中でも望めるその眩しい姿は、謎の霧を彷徨う鶴観人の崇拝の対象となった。雷鳥から落ちた羽毛こそが、鶴見の楽器「マウシロ」の原型である。
何かが雷鳥の逆鱗に触れ、鶴観の文明を滅ぼした。そして年月が経ち、セイライ島で消滅した。
流明石の触媒
層岩巨淵で見つけた、特殊な環境で明るい光を放つ特別な結晶。
組成において、層岩巨淵でしか録れない琉璃晶砂とはかなりの共通点がある。
流明石も、琉璃晶砂も、層岩巨淵以外のところでは決して生成されない。おそらく、この地の地脈と密接に関わっているのだろう。
手のひらに乗った小さな太陽のように、暗闇の中を歩む人にささやかな安らぎと光を与えてくれることを願う。
組成において、層岩巨淵でしか録れない琉璃晶砂とはかなりの共通点がある。
流明石も、琉璃晶砂も、層岩巨淵以外のところでは決して生成されない。おそらく、この地の地脈と密接に関わっているのだろう。
手のひらに乗った小さな太陽のように、暗闇の中を歩む人にささやかな安らぎと光を与えてくれることを願う。
枯れたクサヴァ
力を使い果たしたクサヴァ。枯れ果ててしまったようだ。しかし、貴重な記憶を残す種はまだ朽ちていない。
記憶は古代の死物でもなければ、生気のない泥沼でもない。記憶は創造とともに必ずよみがえり、忘却にそれを破る術はない。まさにこのクサヴァのように、新たな友情によって、生命が潤われることを待っている。
記憶は古代の死物でもなければ、生気のない泥沼でもない。記憶は創造とともに必ずよみがえり、忘却にそれを破る術はない。まさにこのクサヴァのように、新たな友情によって、生命が潤われることを待っている。
「王樹の加護」
スメールの林野で、時折見かける不思議なお守り。草木を招集する力を持つ。
砂漠が森を侵すのを防ぐため、また暗黒の歳月に凶暴な獣が侵入するのを防ぐため、樹やツル草は堅固な柵を形成してきた。
草木の神はこういったお守りを人々に与え、渓流や月光の導きによって柵の迷宮を自由に行き来できるようにさせた。
その後、迷宮は消滅し、森は知性を失った。
それでも、スメール人はお守りを森の守護の象徴としており、森もその求めに応じて力を発揮している。
砂漠が森を侵すのを防ぐため、また暗黒の歳月に凶暴な獣が侵入するのを防ぐため、樹やツル草は堅固な柵を形成してきた。
草木の神はこういったお守りを人々に与え、渓流や月光の導きによって柵の迷宮を自由に行き来できるようにさせた。
その後、迷宮は消滅し、森は知性を失った。
それでも、スメール人はお守りを森の守護の象徴としており、森もその求めに応じて力を発揮している。
釣り糸安定装置
釣り糸を安定させることができる小型の装置。プロトタイプはフォンテーヌの発明家が発明したもので、長らく全く知名度もなければ注目されてもいなかった。その後、フォンテーヌの釣り協会に目をつけられ、現在の釣り糸安定装置に改造されたわけである。完成品が公開された後、数多くの成員に認められ、段々他の地域にも広がって行った。
スネージナヤでの売れ行きは特に好調のようだ。聞いた話によると、とある執行官様が気に入ってくれたらしい。
スネージナヤでの売れ行きは特に好調のようだ。聞いた話によると、とある執行官様が気に入ってくれたらしい。
古びたライアー
ヴィマラ村のアマディアから借りた古びたライアー。
モンドには詩と歌の伝統がある。吟遊詩人は自分の楽器を「親友」とも「伴侶」とも呼ぶ。だから、楽器をしるしとして託されるというのは、信頼と親愛の証。そしてまかさせられのも、信頼からである。アマディアいわく、このライアーを最初にくれた人は、すでに森の中に消えたようだ。
モンドには詩と歌の伝統がある。吟遊詩人は自分の楽器を「親友」とも「伴侶」とも呼ぶ。だから、楽器をしるしとして託されるというのは、信頼と親愛の証。そしてまかさせられのも、信頼からである。アマディアいわく、このライアーを最初にくれた人は、すでに森の中に消えたようだ。
ボンボン祭典クラッカー
「ボンボンはクレーの友達だから、一緒にお魚をドカーンする時、いつも手伝ってくれるんだよ。でも、お祭りでボンボンを出すと、きっとジン団長に怒られる…でも心配しなくていいよ。アルベドお兄ちゃんが完璧に改造してくれたから、ボンボンは新しい力を手に入れたの!見て、しっぽをちょっと引いただけで、たくさんの綺麗な色テープが出てくるんだよ!」
魔瓶ジンニー・リルパァール
睡蓮から生まれた大ジンニー、リルパァール。古の罰を受けたが故に魂がバラバラになり、透明な魔瓶に封印されていた…
砂漠の民の歌の中で、彼女はかつてジュラバドに緑のオアシスと金青色の運河を築き、ジュラバドの破滅の前兆を嘆いた者であった…厄運と希望が彼女の伝説を織りなす。
そして今、彼女は新たな主を見つけた…
砂漠の民の歌の中で、彼女はかつてジュラバドに緑のオアシスと金青色の運河を築き、ジュラバドの破滅の前兆を嘆いた者であった…厄運と希望が彼女の伝説を織りなす。
そして今、彼女は新たな主を見つけた…
晶蝶トラップ装置
フォンテーヌ運動エネルギー工学科学研究院の上級研究員のファヴィツキーが開発した「晶蝶トラップ装置」。
かつて、科学院内で価値のない研究だとされていたため、この発明特許は、晶核を利用して写真機のフラッシュライトを作ろうとしたスチームバード新聞社に非常に安い値段で売られた。ただし、その研究は技術的な難関によって挫かれたのだ。
かつて、科学院内で価値のない研究だとされていたため、この発明特許は、晶核を利用して写真機のフラッシュライトを作ろうとしたスチームバード新聞社に非常に安い値段で売られた。ただし、その研究は技術的な難関によって挫かれたのだ。
携帯型空気動力粘性バブル発射機
フォンテーヌ科学院の研究員ジヴァロワによって開発されたマシナリー造物のプロトタイプ。プロジェクトの本来の目的は、大型粘性バブル発射機を作ることであった。プロジェクトの規定では、生成された粘性バブルは、その内側に一定量の水を保持しつつ、空中を安定して浮遊移動できるはずだった。それにより、迅速に水源を輸送することが目的だったという。
しかし、このような粘性バブルを作るための材料を見つけ出すことができずに、このプロジェクトは長らくプロトタイプの実験段階にとどまっていた。
にも関わらず、ジヴァロワの子供がこのバブルを噴き出すプロトタイプをとても気に入ったという。おもちゃとして売り出すのも悪くないアイデアではなかろうか?
「この装置、父さんが研究で作ったんだ。『空気動力粘性バブル発射機』っていうんだよ…」
「このバブル!きれいだね!父さん、すごい!」
しかし、このような粘性バブルを作るための材料を見つけ出すことができずに、このプロジェクトは長らくプロトタイプの実験段階にとどまっていた。
にも関わらず、ジヴァロワの子供がこのバブルを噴き出すプロトタイプをとても気に入ったという。おもちゃとして売り出すのも悪くないアイデアではなかろうか?
「この装置、父さんが研究で作ったんだ。『空気動力粘性バブル発射機』っていうんだよ…」
「このバブル!きれいだね!父さん、すごい!」
「運命指示器」
大げさな見た目だが、機能はシンプルなカードボックス。導き出される数字は、運命の行き先や何かしらの選択の是非を示してくれているかのようだ…
「自分とデッキの『絆』を信じていれば、運命は自ずと数字に現れるのさ。」──リネもそう言っていたことだし、ひとまず半分くらいは信じてみよう。
「自分とデッキの『絆』を信じていれば、運命は自ずと数字に現れるのさ。」──リネもそう言っていたことだし、ひとまず半分くらいは信じてみよう。
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